レーヴァティン
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第百八十九話 流れは次第にその三
「モスクワもな」
「ならな」
「考えるか」
モスクワの攻略の仕方、それをというのだ。
「ここは」
「それがいい」
「そうだよな、さてどうするか」
久志は言いつつ軍議に入った、仲間達だけでなく主な将帥も集めてそのうえでのことだ。その軍議の中で。
久志は真剣な顔で言った。
「モスクワをどうして手に入れるか」
「民は領主はともかくとして」
「問題はあの者達ですね」
「オプリーチニクです」
「あの者達が問題です」
この世界に元からいる者達の将帥達が言ってきた。
「やはり」
「何といいましても」
「あの者達が民や領主に目を光らせています」
「そうした状況ですので」
「我等が何か言ってもです」
「あの者達がいる限りはです」
「我々が何を言っても聞きません」
「降りません」
「そうだな、本当にな」
久志は難しい顔で述べた。
「あいつ等が邪魔だな」
「全くです」
「まさに王の番犬です」
「それも非常に残忍で冷酷な」
「そうした者達です」
「あの連中さえいなかったらな」
久志は自分の席で腕を組んで言った。
「モスクワも手に入るけれどな」
「それではだ」
正も腕を組んでいる、だが久志がぼやく顔であるのに対して彼は俯き加減ながらも冷静な顔だ、その顔で言うのだった。
「連中をいなくすればいい」
「何か知恵が出たか」
「あの街に確かな者達を潜入させてだ」
「そうしてか」
「夜や物陰の闇に紛れてだ」
そのうえでというのだ。
「連中を消していく、連中の建物を爆破してもいい」
「そうして奴等を消してか」
「そしてだ」
「連中をいなくしてか」
「そのうえでだ」
「降る様に言えばいいか」
「これでどうだ」
久志に問うた。
「連中がいなくなればいいのならな」
「消せばいいんだな」
「そういうことだ」
「暗殺か、この世界復活するからな」
例え死んでも術や特別な薬でそれが可能だ、その為この世界では暗殺という手段がそれ程有効ではないのだ。
「使おうと思わなかったけれどな」
「だが暗殺すればだ」
「復活させないと出て来ないからな」
「その分足止めになる」
「その足止めが大事ってことだな」
「そうだ、だからだ」
その効果があるからだというのだ。
「ここはだ」
「モスクワに工作員を潜入させてか」
「そのうえでだ」
「連中を消すか」
「オプリーチニクをな、そしてだ」
「民や領主に言うんだな」
「降れとな」
監視役であるオプリーチニク達を排除した後でというのだ。
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