恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第九十六話 軍師達、狐を見るのことその二
妹達を連れた上でだ。于吉達と話していた。
「順調よ」
「そうですか。順調ですか」
「楽しんでいるのだな」
「ええ、そうさせてもらっているわ」
そうだとだ。于吉と左慈に対しても話すのだった。
「今はね」
「それは何よりです」
「俺達もそうしたいがな」
「それは無理よ。それにしても」
「あの狐の力はどうでしょうか」
ここでこう言う于吉だった。
「司馬家にある狐の力は」
「九尾の狐の力ね」
「今あの狐は東にいますが」
「倭にね」
「今はそこで眠っています」
その狐はだ。そうしているというのだ。
「そしてやがて時が来れば」
「目を覚ましそして」
「今度はあの国に乱を起こします」
それを企んでいるというのだ。
「そうした意味で私達と同じです」
「面白い狐ね。そして」
「はい、そしてですね」
「我が司馬家に力を与えてくれた」
「その血を飲ませることによって」
「それまで司馬家は」
どうだったかとだ。嫡流の彼女自身が話す。
「しがない豪族だったけれど」
「それが大きく変わりましたね」
「狐の血の力でね」
「妖術。それもあらゆるものを得て」
「変わったわ」
こうだ。于吉に悠然と笑って話すのである。
「光武帝に取り入って」
「そこから代々ですね」
「高官になり力を蓄え」
「そして今」
「この国を滅ぼし」
「新たな国を築かれますね」
「そうするわ。その国の名は晋」
既にだ。彼女のその国の名も決めていた。
「そこにするわ」
「破壊と混沌の国」
「その国の名よ」
「それではです」
「協力してくれるのね」
「それが私達の目的でもありますので」
そのだ。破壊と混沌こそがだというのだ。
「是非共」
「期待しているわ。そして私は」
「その司馬家の中でもですね」
「狐の力が最も強く出た者」
そうだというのだ。司馬尉こそがだ。
「そしてこの娘達も」
「殷代に現れた妹達の力がね」
「最もよく出ているのよ」
こう本人達が話すのである。
「だから。この力で」
「楽しませてもらうわ」
「頼むぞ」
彼女達には左慈が応える。
「御前達の力も必要だからな」
「この世界を破壊と混沌に陥れ」
「多くの異形の者達が闊歩する世界にする」
「その為にはね」
「私達の力も必要ね」
「はい、そうです」
まさにそうだとだ。今度は于吉が応える。
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