オズの木挽きの馬
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第九幕その十一
「寝てね」
「過ごしているのね」
「楽しくね」
「知らないところに行って怖がったりしていないのね」
「そんな気配はなかったよ」
木挽きの馬は恵梨香に答えました。
「全くね」
「それは何よりね」
「やっぱり怖がっていたらね」
「よくないわ」
「うん、楽しくやっているなら」
「それならね」
恵梨香も笑顔で言いました。
「それに越したことはないわ」
「恵梨香の言う通りだよ」
木挽きの馬のその通りだと答えました。
「待っていてくれるなら」
「楽しくね」
「その時もね」
「同じ待つなら」
それならというのです。
「もうね」
「楽しくね」
「そうであって」
「待っていて欲しいね」
「怖かったり心細かったり不安だったら」
それならというのです。
「もうね」
「僕達も心配になるね」
「ええ、そうなるから」
それでというのです。
「本当にね」
「心穏やかなら」
「それが第一よ」
「全くだね、じゃあこのままね」
「案内してくれるわね」
「そうさせてもらうよ」
こう恵梨香に答えました。
「是非ね」
「それじゃあ」
「うん、それとね」
「それと?」
「今目の前を何か通ったね」
「天狗だったわね」
恵梨香はすぐに答えました。
「そうだったわね」
「小さかったね」
「烏天狗よ」
その天狗だというのです。
「あの天狗はね」
「小柄な人間位だったね」
こう言ったのはモジャボロでした。
「大体」
「そうでしたね、天狗といっても大天狗がいまして」
「お顔の赤い天狗だね」
「そしてお鼻が高いです」
「そしてさっきの烏天狗だね」
「烏の頭をした」
まさにその姿のというのです。
「天狗がいます」
「大天狗がリーダーで烏天狗が従者だね」
「そうなっています」
「さっきの天狗は烏天狗で」
「大天狗より小さいですが」
それでもとです、恵梨香はモジャボロにお話しました。
ページ上へ戻る