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レーヴァティン

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第百八十八話 連勝その二

「そうしてもらうな」
「ではな」
「あと正規軍や士官は」
 彼等はというと。
「戦が終わるまで捕虜だ」
「そうするか」
「ああ、というか捕虜でもな」
 それにしただけでもというのだ。
「そうした王様だとな」
「家族に何かするか」
「そうしかねないな」
「家族は人質だ」
 正は言い切った。
「そんな国家元首にとってはな」
「そうだよな」
「若し裏切ればだ」
「家族がどうなるかってなるな」
「こうした話はよくあるが」
「あの国の王様は絶対にそうだな」
 久志も言い切った。
「間違いなくな」
「だからだな」
「捕虜にしてもな」
 それでもというのだ。
「他の国ならその時点じゃ何もしないけれどな」
「家族にもな」
「けれどな」
「ああした王となるとな」
「何するかわからないな」
 それこそというのだ。
「本当にな」
「そうだよな、しかし」
「捕まえた敵を解放する訳にもいかないしな」
「だからといってこちらの捕虜にしてもね」
 双葉も言ってきた。
「若しかするとって思うわね」
「ああ、けれどな」
「本当に解放はね」
「無理だからな」
 それはどうしてもというのだ。
「そうしたら敵に戻るぜ」
「絶対にね」
「まあそうした王様なら戻った捕虜も冷遇するな」
「普通にね」
「そうするかも知れないけれどな」
 それでもとだ、久志は双葉に話した。
「解放だけは出来ないからな」
「捕虜にするわね」
「それは仕方ないな」 
 どうしてもというのだ。
「そのことは」
「そうよね」
「だからな」
 久志はさらに言った。
「捕虜も家族が気になるだろうが」
「今はなのね」
「捕虜になってもらうな」
「それで兵隊さん達も」
「やっぱり捕虜だよ」
 農民や町人を無理に兵にした彼等もというのだ。
「そうするよ」
「今は仕方ないわね」
「それでな」
 久志はさらに話した。
「出来るだけ早くな」
「戦に勝って」
「そんな心配ない様にするな」
「そうするわね」
「こうなったらな」
「それがいいわね」
 双葉も言った。
「どうせなら王様だけ何とかしたいけれど」
「首都にいるな」
「ペテルブルグにね」
「それも王宮の奥深くか」
「若しくは王宮でなくて殆ど誰も知らない様な」
 そうしたというのだ。 
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