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X Dimensions SoldierS Re: Xros Rays

作者:ラフェル
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  第15話 闇の堕天使デビモン、来る!

 
前書き
新年明けましておめでとうございます。今年もX Dimensions SoldierSをよろしくお願いします^_^

このサイトに暫くアクセスできなかったので、2話まとめて投稿します。

今回は響達がオリキャラに名前を付けてあげるのと、最初のボスーーデビモンと遭遇する話です。

最新話、よろしくお願いします^_^ 

 
謎の光によりデジタルワールドへ導かれた未来と、彼女のパートナーデジモンであるストラビモンと言う新たな仲間を得た響達。

現在始まりの町にいる響達はレジスタンスのメンバーや幼年期デジモン達全員の晩飯の準備をしているエレキモンやスパーダモン達の手伝いをしながら、未来にレジスタンスの現状や黒い歯車でデジモン達を操るデビモンのことを説明したり、未来からデジタルワールドに来るまでの経緯を聞いたりしていた。

その中で、響は未来から驚くべき内容を聞かされていた。


響「えっ!? それじゃあ、まだ向こうでは1日も経ってないの!?」

未来「うん、私達の世界じゃ響達が薪集めに行ってから1時間半くらいしか経ってないと思う」

響「1時間半!?」


それは響がデジタルワールドに次元漂流してから1日と半日経っているのに対し、元の世界である新暦世界では1時間半しか経っていないのだから驚くのも無理は無い。


セレナ「もしかして、私達の世界とデジタルワールドとだと時間の流れが違うんでしょうか?」

ガブモン「俺達もそこまではわからないけど、話を聞く限りだとそうみたいだね」

フレイモン「ええと、ってことは……響達の世界の1時間はデジタルワールドの1日ってことになんのか?」

ストラビモン「響と未来の話を照らし合わせれば、そうなるんだろうな」


フレイモン達は新暦世界とデジタルワールドの時間の誤差についてそう推理するのだった。


響「うーん、いくら向こうで1日経ってないって言っても、流石に何時間も経って帰って来なかったらエルシャさん達心配になるよね……」

未来「うん……私までこっちの世界に来ちゃったから、余計にエルシャさん達に心配かけちゃってるよ……」

セレナ「立花さん、小日向さん……」


新暦世界にいるエルシャを始めとした仲間達に心配をかけてしまっていることに暗い顔をする響と未来を、セレナは気遣わしげな表情で見ていた。


フレイモン「とは言え、響達の世界へ行く手段は疎か、響の仲間達もまだ見つかって無いんだ。焦っても仕方ねえよ」

ストラビモン「そうだな。まずは1つずつできることからやっていくべきだ」

ガブモン「うん、そうだね。今はセレナのお姉さんや響の仲間達を探すことに専念しようよ」

響「フレイモン、皆……うん、そうだね」

未来「焦っても何も変わらないもんね」

セレナ「そうですね。ガブモン達の言う通り、今はマリア姉さん達を探すことに専念しましょう」

響・未来『うん!』


新暦世界に早く戻りたいが、焦っても仕方ないこと、できることからやっていくしかないことを理解した響達は仲間達の捜索に専念することを決めるのだった。

そうこうしている内に晩飯の準備が終わり、レオモンを始めとしたレジスタンスのメンバー達と一緒に晩飯を取ることにした響達。

その際響は未来をレオモンに紹介し、レオモンは未来をレジスタンスの協力者として快く歓迎するのだった。

始まりの町での晩飯が立食パーティーのような形で賑わう中、響・未来・セレナ・フレイモン・ストラビモン・ガブモンはある場所……銀髪の少年とハックモンのいる病室へと来ていた。


響「ハックモン、晩御飯持って来たよ〜♪」

ハックモン「おう、サンキュー♪ ん? そっちの2人は見ない顔だな」


響が持って来た晩飯を受け取ったハックモンは初めて見る顔である未来とストラビモンに気付く。


響「あ、そっか、ハックモンにはまだ紹介して無かったね。今日デジタルワールドに来た私の親友で……」

未来「小日向未来です♪ そして、この子は私のパートナーデジモンで……」

ストラビモン「ストラビモンだ。よろしく頼む」

ハックモン「俺はハックモンだ。よろしくな、未来にストラビモン♪」


未来とストラビモンはハックモンに自己紹介し、ハックモンも自己紹介で返すのだった。


未来「ところで、そこの寝ている銀髪の男の子は? 見たところ、私達と同じ人間みたいだけど」


未来は病室のベッドにて未だに眠り続けている銀髪の少年について聞く。


響「この子はハックモンのパートナーなんだけど……」

セレナ「どうやらこの子、名前が無いみたいなんです……」

未来「え? 名前が無い?」

響「うん。ハックモンもパートナーであるこの子の名前がわからないんだって」

ストラビモン「そうなのか?」

ハックモン「ああ、恥ずかしいことにな。この子は普通とは違う何かを感じる……だからか、この子の名前がわからないんだ……悔しいな、待ち侘びたパートナーの名前を知ることができないなんて……」

響「ハックモン……あ、そうだ! この子の名前を考えよう!♪」

未来・セレナ・フレイモン・ストラビモン・ガブモン・ハックモン『え?』


響のその発言に、未来達は揃って疑問符を浮かべる。


響「名前が無いなら、新しく付けてあげれば良いんだよ。今から皆でこの子に付ける名前を考えようよ♪」

未来「なるほど♪」

セレナ「それ、良いですね♪」

響「でしょ?♪」

ハックモン「ありがてえ! 是非頼む!」

響「任せて!♪」


響の銀髪の少年の名前を考える提案に未来達は賛成し、響達は早速考え出す。


フレイモン「そんで、言い出しっぺの響は何か候補はあるのか?」

響「うーん……あ! 銀髪から取って銀ちゃんって言うのはどう?♪」

フレイモン・ストラビモン・ガブモン・ハックモン『却下! 安直な上、何かカッコ悪い!!』

未来「その名前はやめて、響! この子が何処ぞの漫画の主人公のように、天パで糖尿病で死んだ魚のような目をして戦闘の時しか輝かない宇宙一馬鹿な侍になったらどうするの!?」

セレナ「あ、あの、小日向さん? 何の話をしてるんですか……?」

未来「と、兎に角! 次の名前の候補を考えるよ!」


その後も響達はいくつか名前の候補をあげていくが、どれもしっくり来るものが無く、中々決められずにいる中……


セレナ「あの、『勇真(ゆうま)』と言う名前はどうでしょうか?」

響・未来・フレイモン・ストラビモン・ガブモン・ハックモン『勇真?』


セレナが『勇真』と言う名前を候補にあげる。


セレナ「立花さん、この子が研究施設のカプセルの中にいたことを覚えてますか?」

響「うん、覚えてるよ。でも、それが勇真って名前とどう関係あるの?」

セレナ「何となくですけど……何かの実験の被験者であるこの子は、研究施設の大人達の勝手な思想で望んでもいないことを強いられて来たんじゃないかって思うんです……だからこそ、誰かの思想に囚われること無く、真っ直ぐ自分が正しいと思うことを、望んでいることを貫く『真の勇気を持つ者』になってくれたら良いなぁって言う願いを込めて『勇真』って名前を考えたんですけど……どうでしょうか?」


セレナは『勇真』の名前に込めた意味や願いを説明する。

それに対して、響達の答えは……


響「真の勇気を持つ者……うん、良いと思う!♪」

フレイモン「俺もだ。かっこいい感じがして、良い名前じゃないか♪」

ガブモン「俺も賛成。特にセレナが名前に込めた意味が良いね♪」

未来「私も。素敵な名前だと思う♪」

ストラビモン「確かにな。己の信じるものを貫く信念のようなものが感じられるのが良いな。ハックモンはどうだ?」

ハックモン「俺も賛成だ。この子……勇真も良い名前を貰えて喜ぶに違いないぜ♪」

セレナ「ふふふ、それは良かったです♪」


満場一致で全員賛成であり、銀髪の少年の名前が『勇真』に決まった瞬間であった。

同時に名前を考えていた響達の優しい気持ちが届いたのか、未だに眠り続けている勇真の顔に笑みが浮かんでおり、穏やかな寝顔となっていた。


響「あ、勇真君、笑ってるね♪」

未来「楽しい夢でも見てるのかな?♪」

セレナ「ふふふ、そうだと良いですね♪」

ハックモン「勇真……俺、お前と色々話したいし、一緒に遊んだりしたいからな……お前が1日でも早く起きてくれるのを待ってるからな……」


その後響達は勇真が寂しく無いようにと、その日は彼の病室にて雑魚寝で眠りに着いた。

勇真が目覚める日はそう遠く無く、刻一刻と近づいているのだった……
















翌日、すっかり怪我が完治した響はフレイモンと共に本格的に逸れた仲間達の捜索に出ることになり、昨日捜索していたセレナとガブモンは勿論、未来とストラビモンも捜索に参加することになった。

響達はペックモン3体の背中に乗り、始まりの町を出発しようとしていた。

そして、今日は始まりの町に戻らずに一日捜索に集中する予定のようだ。


未来「それじゃあ、行ってくるね。明日にはこの町に戻って来るから♪」

エレキモン「おう、気をつけてな♪ 一応旅に必要な食料や水とかは荷物に積んであるけど、ヤバくなりそうだったら戻って来いよ」

未来「ありがとう、エレキモン♪」

レオモン「本当なら我々も君達の捜索を手伝いたいところだが……」

セレナ「レジスタンスの皆さんがデビモンへの再戦に向けて忙しいのに、ペックモン達を貸してくれただけでも十分です♪」

レオモン「すまない。だが、君達に何かあれば救援に駆け付けるつもりだ。それは忘れないでくれ」

セレナ「ありがとうございます、レオモン♪」

ハックモン「俺も一緒に付いてやりたいけど……」

響「ハックモンは勇真君の傍にいてあげないと。勇真君を守れるのはハックモンしかいないんだから♪」

ハックモン「響……ああ、そうだな。勇真と一緒にこの町で待ってるから、絶対に戻って来いよ♪」

響「うん! それじゃあ……♪」

響・未来・セレナ『行って来まーす!♪』

ペックモン達『クエ〜ッ!!』


響達を乗せた3体のペックモン達は空に向かって飛翔し、始まりの町を後にするのだった……
















それから響達はペックモン達によって飛翔しながら、仲間達を探すべくファイル島内を回っていたが、未だに手掛かりを掴めずにいた。

方針を変え、セレナとガブモンが昨日回っていたムゲンマウンテン付近を再度捜索することになり、現在は……


アグニモン「バーニングサラマンダー!!」

ユキダルモン「あうっ!?」


ムゲンマウンテン付近の雪原地帯にて、黒い歯車で操られた3体の成熟期……雪と氷の結晶に体を覆われた氷雪デジモンーー『ユキダルモン』、全身を白い体毛に覆われた毛むくじゃらの珍獣型デジモンーー『モジャモン』、背中に大きな氷の翼を持つ竜型デジモンーー『ペイルドラモン』に襲撃され、ユキダルモンは響とアグニモンが、モジャモンは未来とヴォルフモンが、ペイルドラモンはセレナとガルルモンがそれぞれ応戦し、3体のペックモン達は苦無羽で響達を援護していた。

そして、アグニモンのバーニングサラマンダーがユキダルモンに命中し、炎に弱いユキダルモンが怯んだ隙を狙って……


響「うおりゃああああっ!!」

パキーンッ!!


ギアを纏った響が拳撃を繰り出し、ユキダルモンの体に刺さっていた黒い歯車を破壊する。

一方、モジャモンと交戦するヴォルフモンは、モジャモンの必殺技である『アイシクルロッド』や『骨骨ブーメラン』をリヒト・シュベーアトで斬り裂き、受け流しながら肉薄し……


ヴォルフモン「そこだ! リヒト・ズィーガー!!」

パキーンッ!!

モジャモン「ッ!」

未来「やった!♪」


ヴォルフモンもリヒト・シュベーアトによる斬撃でモジャモンの体に刺さっていた黒い歯車を斬り裂く。

同時にペイルドラモンと交戦するガルルモンも……


セレナ「ガルルモン!」

ガルルモン「おう! フォックスファイアー!!」

ペイルドラモン「があああっ!?」

パキーンッ!!


ペイルドラモンの必殺技である敵を凍らせる吐息ーー『アイスエイジ』をフォックスファイアーで破りながら直撃させ、ペイルドラモンの体に刺さっていた黒い歯車を破壊した。

ユキダルモン達を黒い歯車から解放した響達はもう時刻が夜と言うこともあり、ユキダルモン達からお礼として教えてもらった野宿に最適な洞窟の中にてエレキモンが作ってくれた弁当を食べていた。


響「ふう……それにしても、黒い歯車に操られているデジモン多いね」

フレイモン「ああ、実際ここに来るまで何回か遭遇したしな」


フレイモンの言う通り、響達は仲間達の捜索をしていく中で先程のユキダルモン達は勿論、黒い歯車に操られているデジモンに何回か遭遇していた。


未来「黒い歯車に操られているデジモンだけじゃ無い。デビドラモンやスナイモン、クワガーモンみたいな凶暴な野生のデジモンにも襲われたしね」

セレナ「そんなデジモン達が多い中で、マリア姉さん達は無事でしょうか?」

ストラビモン「恐らくだが、その者達にもパートナーデジモンが付いている筈だ。余程のことが無い限り大丈夫だろう」

ガブモン「それにセレナのお姉さん達も響みたいにシンフォギアって言うのがあるんでしょ? だから、きっと大丈夫だよ♪」

セレナ「そうですね、マリア姉さん達なら大丈夫ですよね♪」

響「あー、ええと、そのシンフォギアのことで言いづらいことがあるんだけど……」

セレナ「立花さん?」

未来「どうしたの、響?」

響「たぶん、マリアさん達……このデジタルワールドでシンフォギアを纏うことが出来ていないんじゃないかな……?」

未来・セレナ『え!?』


響のその発言に未来とセレナは驚きの声を上げる。


セレナ「た、立花さん、それはどう言うことですか!?」

響「実はね……黒い歯車に操られてた時のレオモンと戦う前、私自身何故かギアを纏うことができなかったんだ……」

セレナ「えええっ!?」

未来「それ本当なの!?」

響「うん……でも、フレイモンがレオモンにやられそうになって、死なせてたまるかって思った時にこの不思議な模様が右手に現れて、この模様の力でギアを纏えるようになったんだ」


響はそう言って、右手の甲に刻まれた黄色の模様を未来やセレナ達に見せる。


未来「これ、何の模様かな?」

セレナ「シンフォギアのアウフヴァッヘン波形に似た形をしてますけど……この模様の力を使えば、マリア姉さん達もデジタルワールドでギアを纏えるようになるでしょうか?」

響「ごめん、そこまではわかんないや。この模様の力が発揮されたのはその時だけだったし……」

フレイモン「合流した時にダメ元で試してみりゃ良いじゃねえか。何事もチャレンジだぜ?」

ストラビモン「お前な……そんな簡単な話じゃないだろ」

ガブモン「でも、試してみる価値はあると思うよ」

未来「響、フレイモンの言うように皆と合流出来た時に試してみたらどうかな?」

響「うーん……わかった、皆と合流できたら試してみるよ♪」

セレナ「ありがとうございます、立花さん♪」


その後、晩飯を食べ終えた響達は明日の捜索ルートについて話し合った後、就寝に着くのだった……
















翌朝、デジタルワールドに来てから4日目を迎えた響達(未来は3日目ではあるが)は仲間達の捜索を再開する

そんな響達が現在いるのは……デビモンの本拠地であるムゲンマウンテンであった。

何故ムゲンマウンテンに来ているのかと言うと、昨日響が言っていたデジタルワールドでギアを纏えないと言う話から仲間達がデビモンによって囚われの身になっている可能性があるので、偵察も兼ねてその確認をする為である。

ペックモン達は既にレオモンへの伝言も兼ねて始まりの町へ帰しており、現在はガブモンが進化したガルルモンが響達全員を背中に乗せて、ムゲンマウンテンの山頂を目指して移動していた。

因みに万が一敵に遭遇した時に備えて、響をギアを纏い、フレイモンとストラビモンはアグニモンとヴォルフモンに進化していた。


セレナ「ガルルモン、大丈夫ですか? 私達全員乗せて疲れてないですか?」

ガルルモン「大丈夫だよ、セレナ。まだまだ余裕だ♪」

響「ん〜……見た感じ、牢屋みたいな場所は無さそうだね」

アグニモン「ああ、見た感じ普通の山だな。本当にここがデビモンの本拠地なのか?」

ヴォルフモン「デビモンの本拠地であることは間違いない。巧妙に隠されてはいるが、僅かに暗黒の力を感じる……」


ヴォルフモンは微かではあるがムゲンマウンテンから漂う暗黒の力を感じ取るのだった。


アグニモン「おっ♪ 光の十闘士ーーエンシェントガルルモンの遺伝子を受け継いでいるだけあって、光とは対極の闇の力に対しては敏感ってか?」

ヴォルフモン「フッ、当然だ」

響「十闘士?」

セレナ「あの、エンシェントガルルモンってどんなデジモンなんですか? 名前からしてガルルモンと関係ありそうなんですけど……」

ガルルモン「まあ関係があると言えばあるけど……十闘士と言うのは遥か古代のデジタルワールドに存在した10体の最初の究極体デジモン達で、彼らの能力や遺伝子は後のデジモン達に引き継がれているんだ。エンシェントガルルモンの場合は、俺みたいな獣型デジモンにね」

アグニモン「そんで俺やヴォルフモンは十闘士の遺伝子を強く受け継いでいるデジモンは、それぞれ特化した属性を持ってるんだ。炎の十闘士であるエンシェントグレイモンの遺伝子を持つ俺は炎、光の十闘士であるエンシェントガルルモンの遺伝子を持つヴォルフモンは光ってな♪」

響・セレナ『へえ〜、そうなんだ/そうなんですね♪』

未来「それじゃあヴォルフモンは光の属性を持ってるから、光とは真逆の闇の力を感じ取りやすいってこと?」

ヴォルフモン「まあ、そんなところだ」

響「あれ? と言うことは……強い闇の力を持つデビモンが相手でも、光の属性を持つヴォルフモンがいれば何とかなるんじゃないかな? ゲームとかで闇は光に弱いってよく聞くし♪」


響は強い闇の力を持つデビモンが相手でも、光の属性を持つヴォルフモンがいれば何とかなるのでは無いかと考えるが……


ヴォルフモン「確かに闇の力を持つ暗黒系デジモンに光の力は有効だが……必ずしも勝てる訳じゃない」

響「そうなの?」

ヴォルフモン「ああ、光と闇は互いに影響し合うからな。闇を消し去る強い光があれば、光を飲み込む強い闇もあると言うことだ」

響「え、ええと……」

未来「光は闇に強いけど、闇に弱くもあるってことかな?」

セレナ「つまり、光と闇はお互いが天敵同士なんですね」

ヴォルフモン「その通りだ」

響「な、なるほど……?」

アグニモン「響、お前……絶対わかって無いだろ?」

響「そ、そんなこと無いよ!」

ガルルモン「あはは……あ、そろそろ山頂に到着するぞ。準備はいいか?」

響達『うん/はい/ああ!』


それから少しして、響達は山頂へと辿り着いた。

山頂にはスペースが広い地面があるだけで、特に変わったものは無かった。


響「私、てっきり魔王の城みたいなものがあると思ってたんだけどなぁ〜」

未来「私も。見たところ、何も無いね」

セレナ「そうですね」

アグニモン「おいおい、本当にここにデビモンがいんのかよ?」

ガルルモン「どうだ、ヴォルフモン? デビモンの気配とか感じられるか?」

ヴォルフモン「……闇の力の痕跡があるのは間違いないが、デビモン自体の気配までは……」

未来「本拠地を別の場所に移したのかな?」

セレナ「それとも今は何処かに出ていて、いないだけとかでしょうか?」

ヴォルフモン「わからん。だが、いないならいないで好都合だ。今の内に下山するとしよう」

アグニモン「そうだな。見たところ調べられそうなものは無さそうだし、ここに長居は無用だ。とっとと退散しようぜ」

響「うん、そうだね。後は皆がデビモンに捕まっていないことを願って、もう一度ファイル島内を探してみよう」

未来「うん」

セレナ「はい」

ガルルモン「それじゃあ皆、俺の背中に乗ってくれ。一気に山を下りるよ」


響達はガルルモンの背中に乗って下山しようとした……その時。


?「おやおや。私の根城に来て、すぐ帰ってしまうとは……つれない客人達だ」

響達『っ!?』


突然背後から聞き覚えの無い声が聞こえて来て、驚いた響達は聞こえて来た方へ視線を向けると……


デビモン「私ーーデビモンの根城であるムゲンマウンテンへようこそ、選ばれし乙女達とそのパートナーデジモン達よ」

響達『っ! デビモン!?』


そこにいたのは成熟期の堕天使型デジモンーーデビモンがいたのだった。


響「あれが、デビモン……!」

未来「あの姿、まるで悪魔……!」

アグニモン「くっ、このムゲンマウンテンが本拠地だって言うのは本当だったのか……!」

ヴォルフモン「俺でも奴の気配を察知できなかったとは……!」

デビモン「そう落ち込むことは無いぞ、光の闘士よ。私は普段から異空間の中にいてね、いくら光の属性を持つ君であっても異空間の中にいる私を察知することはできんよ」

ヴォルフモン「ちっ……!」


デビモンの言葉に、ヴォルフモンは悔しげに顔を歪める。


デビモン「さて……忌々しい君達選ばれし乙女と、そのパートナーデジモンをどう始末しようかと考えていた矢先に、そちらから出向いてくれるとは嬉しい限りだ……これは、そんな君達への私からのもてなしだ。受け取ってくれたまえ!」


デビモンが指をパチンと鳴らしたと同時に山頂の地面に黒い影が現れ、その黒い影から……


デビドラモン達『グオオオオッ!!』


大量のデビドラモン達が現れた。


未来「デビドラモン!?」

ヴォルフモン「奴の手下だったのか……!」

セレナ「凄い数……このままだと包囲されてしまいます!」

響「皆! 包囲される前に退散するよ!」

アグニモン「了解だ! ガルルモン!」

ガルルモン「ああ! 皆、しっかり掴まってろよ!」


響達を乗せたガルルモンは崖に向かって猛スピードで移動すると……


ガルルモン「たああっ!!」

響「え? うわああああっ!?」

未来・セレナ『きゃああああっ!?』

デビモン「何っ!?」


勢いよく飛び降りるのだった。

かなりの高度があるムゲンマウンテンの山頂から飛び降りるとは思っていなかったのか、響・未来・セレナの3人は揃って悲鳴を上げ、デビモンでさえもそのことに驚いていた。

山頂から飛び降りたガルルモン達は猛スピードで落下していき、目と鼻の先に地面が見えていた。


響「ががががが、ガルルモン!! 着地はどうするの〜〜〜!?」

未来「こ、このままだと、地面に激突して死んじゃうよ〜〜〜!!」

ガルルモン「大丈夫だ、考えはある! アグニモン、ヴォルフモン!」

アグニモン「ああ、わかってる!」

ヴォルフモン「タイミングを合わせる! 1!」

ガルルモン「2の!」

アグニモン「3! 今だ! バーニングサラマンダー!!」

ヴォルフモン「リヒト・クーゲル!!」

ガルルモン「フォックスファイアー!!」


アグニモン・ヴォルフモン・ガルルモンは地面に向かってそれぞれ技を放つ。

アグニモン達の技が同時に地面で激突し、それによって発生した中規模の爆発から来る爆風で、ガルルモン達は落下スピードが減速され、何とか地面に着地するのだった。


響・未来『た、助かった〜……』

セレナ「さ、3人の技を同時にぶつけて爆発を発生させて、その爆風で落下スピードを減速させたんですね……」

アグニモン「まあ、そんなところだ♪」

ヴォルフモン「危険な賭けだったが、おかげでムゲンマウンテンを一気に下山できた。今の内に退散だ!」

ガルルモン「ああ!」


ガルルモン達はそのまま猛スピードで駆け出し、ムゲンマウンテンから離れて行く。

それを見ていたデビモンは……


デビモン「フンッ、まさかこの高さから飛び降りた上、あんな方法で着地するとはな……敵ながら恐れ入る。だが……そう簡単に私から逃げられんぞ」


ニヤリと口元を歪めながらそう言うと……


デビモン「奴等を追え」

デビドラモン達『グオオオオッ!!』


デビドラモン達にそう命令し、その命令を聞いたデビドラモン達は次々に飛翔して行き、響達の後を追って行くのだった。


デビモン「奴等を餌にすれば、他の選ばれし乙女達が必ずやって来る筈だ。無論『奴』も……その時こそ選ばれし乙女達を全員抹殺してくれる! フッフッフッ……ハッハッハッ!!」


デビモンは不気味な笑い声をあげながら、異空間へと消えるのだった……

デビモンの魔の手が響達……選ばれし乙女達に迫りつつあった……


To Be Continue…… 
 

 
後書き
本当は今回の話でツナ・炎真・響の3チームを合流させたかったのですが、長くなりそうだったので一旦ここで区切りました(^◇^;)

次回こそは合流させて見せます(^◇^;)

次回も応援よろしくお願いします^_^ 
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