オズの木挽きの馬
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第八幕その六
「一勝負して」
「そうするのね」
「お塩も撒いてね」
「お塩を沢山撒くわね、お相撲って」
「そうだね」
「そのことも景気付けになるのね」
「そうなんだ、じゃあ今からはじめるよ」
こう言ってでした。
力士さん達は土俵に上がってそのうえで、でした。
力士さん達はそれぞれお塩を撒いて土俵に上がりました、何時の間にか軍配を持って行司さんも来ていて。
はっけよい、のこったの後からです。
激しい勝負が行われました、勝負は黒い褌の力士さんが勝ちましたが。
その勝負の後で力士さん達は恵梨香達に言いました。
「こうしてね」
「この場所の景気付けをしたよ」
「これでこの場所は一層元気になるよ」
「お塩も撒いたしね」
「そうなんですね、何ていいますか」
恵梨香は笑顔で言いました。
「凄くです」
「凄く?」
「凄くっていうと」
「素晴らしいものを観られました」
こう力士さん達に言うのでした。
「勝負として」
「それは何よりだよ」
黒い褌の力士さんが答えました。
「ただね」
「ただ?」
「これはね」
まさにというのだ。
「勝負だけじゃなくてね」
「神事ですね」
「その意味もあるから」
だからだというのだ。
「本当にね」
「素晴らしいとですか」
「言ってもらってね」
それでというのです。
「嬉しいよ」
「この地域の景気付けにですね」
「今以上にね」
「今よりもよくなる為ですね」
「そうだよ、僕達はそうしたことも仕事だから」
「神事もですね」
「だからね」
それでというのです。
「これからもね」
「景気付けにですね」
「勝負をしていくよ」
白い褌の力士さんも言いました。
「勝敗が問題ではなくて」
「神事だからですね」
「やっていくよ」
「勝負は関係ないんですね」
「そう、どちらが勝ってもね」
それでもというのです。
「いいよ」
「そうですか」
「そうした問題じゃないからね」
「神事であってですね」
「勝敗は関係ないんだ」
どちらが勝ってもというのです、そしてです。
そうしたお話をしていると行司さんも言ってきました、アジア系の飄々としていますがそれでいて気品もある人です。
「またする時があるから」
「その時にですね」
「観る機会があれば」
それならというのです。
「観てくれるかな」
「そうしていいんですね」
「ここは観客席はないけれど」
「あくまで神事の場所ですか」
「そうだけれどね」
それでもというのです。
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