八条学園騒動記
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第五百九十六話 カルボナーラその一
カルボナーラ
フックはこの時不敵な笑みを浮かべていた、そのうえで自分の前にいる宿敵ラビニアに対して言った。
「負けないからな」
「それは私の台詞よ」
ラビニアも不敵な顔で返す。
「前の勝負は負けたけれどね」
「今度はか」
「絶対に負けないから」
こうフックに言うのだった。
「絶対にね」
「言ってくれるな」
「何度でも言うわよ」
「そうか、しかしその減らず口言えない様にしてやる」
「すぐにっていうのね」
「今回も勝つのは俺だ」
不敵な笑みのまま言い切った。
「この大食い対決でもな」
「カルボナーラ対決ね」
「俺の胃袋を舐めるな」
「沢山食べることにも自信があるの」
「そうだ、特にカルボナーラは好きだ」
このスポゲティはというのだ。
「だから負けるか」
「私もカルボナーラは好きよ」
「前ミートソースだと言ってなかったか」
「ミートソースも好きだけれどね」
「カルボナーラもか」
「そしてイカ墨もね」
こちらのスパゲティもというのだ。
「好きよ」
「つまりスパゲティは全部好きか」
「要するにね、だからね」
「今度の対決はか」
「スパゲティで私と勝負するとは馬鹿なことよ」
フックに不敵な笑みで返した。
「もうその時点で決まったわ」
「スパゲティならか」
「私は無敵よ、それこそ幾らでもね」
「食えるか」
「カルボナーラもね」
「カルボナーラは味が濃いが」
「その濃さがいいのよ」
ラビニアは今度は明るい笑顔で話した。
「どんどん食べられるのよ」
「そうなのか」
「あの生クリームとベーコンと卵の黄身が」
「そこに黒胡椒もあるな」
「この黄金の組み合わせがね」
それがというのだ。
「最高でね」
「幾らでも食えるか」
「その私にカルボナーラで挑むなんてね」
「俺が負けるというか」
「そうよ、私の勝利は決まったわ」
まさにというのだ。
「残念だったわね」
「そうか、お前が勝つか」
「今回はね」
「それは無理だ」
フックは目に鋭い光を宿らせて言い切った、そこには絶対に勝者になるという確かな自信が存在していた。
「俺は大食漢だからな」
「それでなの」
「そうだ、スパゲティもだ」
「どれだけでも食べられるの」
「しかも今日は朝十キロ走った」
起きてすぐにそうした。
「だからだ」
「その分お腹が空いてるのね」
「だから尚更食える」
「それで私にも勝てるの」
「残念だったな」
「言うわね、私だって今朝はね」
「走ったか」
そのラビニアに問うた。
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