オズの木挽きの馬
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第七幕その九
「よくな」
「僕は食べなくてもだね」
「覚えておいてくれよ」
「わかったよ」
「まあわしはアイスならな」
小豆婆は笑って言いました。
「バニラよりもな」
「小豆が中にあるのがいいな」
小豆はかりも言いました。
「何といっても」
「そうじゃな」
「それはな」
「小豆の妖怪だからな」
「どうしてもな」
「だからかき氷にしても」
「宇治金時だよ」
これがいいというのです。
「何といっても」
「宇治金時は最高じゃ」
小豆洗いも言います。
「本当にな」
「やっぱり小豆の妖怪だと好きなのね」
恵梨香は小豆洗い達のお話を聞いて思いました。
「実際に」
「その通りじゃ」
小豆洗いは恵梨香に答えました。
「小豆を使ったお菓子は大好きじゃ」
「何よりもかしら」
「鯉や他の食べものも好きじゃが」
「第一はなのね」
「小豆を使ったお菓子じゃよ」
「じゃあデザートは羊羹がいいね」
妖怪博士は小豆洗い達の考えを聞いて言いました。
「それがいいね」
「羊羹いいよね」
河童は妖怪博士のその言葉に頷きました。
「あのお菓子もね」
「そうだよね」
「じゃあ鯉とお酒の後は」
「羊羹にしよう」
「羊羹、あれはいいね」
「そうだね、兄さん」
モジャボロの兄弟は羊羹と聞いて笑顔になりました。
「味もいいし」
「食感もよくて」
「本当にね」
「美味しいお菓子だよ」
「小豆があってお砂糖があってな」
小豆婆が言ってきました。
「そしてお餅があればな」
「お汁粉かだね」
「善哉が出来るぞ」
こう弟さんにお話するのでした。
「これまたよい、白玉でもな」
「いいね」
「うむ、お餅もいいがな」
「どちらも小豆に合うね」
「だからよい、兎に角小豆はいいのじゃ」
お酒を飲みつつ小豆のよさをお話するのでした。
「まことにな」
「それでだね」
「羊羹もよくてな」
そしてというのです。
「後で皆で食べようぞ」
「そうしようね、僕は羊羹も好きだから」
妖怪博士はにこにことして鯉こくのあらの部分を食べつつ言いました。
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