もう一つの"木ノ葉崩し"
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第五話―激突
「見つけたぞ!」
里の東部を探索する日向タイヨウは,白眼の視界に敵の姿を捉えた。周囲にある建物は,すでに多くが半壊している。
「へっ,どんどんぶっ壊してやるぜ!逃げ遅れた奴はいねえかぁ?……ん?」
スタッ!
「そこまでだ!」
タイヨウは,雲隠れの忍びの前に立ちはだかり,破壊活動を止める。
「ほう,木ノ葉の忍か……面白い,相手になってやる!」
雲隠れの忍は懐から取り出した剣をタイヨウに向ける。対するタイヨウ,掌を相手に向けて体術の構えだ。
互いに相手の出方を窺い,しばしの膠着。どちらが先に仕掛けるかという,まさにその時,
バッ!
(後ろがスキだらけだぜ!)
突如,タイヨウの背後にもう一人雲隠れの忍が現れ,手にした剣を死角から振り下ろした。
(くたばれっ!)
サッ!ドカッ!!
「ぐはっ!!?」
しかしタイヨウはいとも容易く背後からの不意打ちをかわしたかと思うと,即座にカウンターで回し蹴りを決める。
「何だ,今の反応……!?」
完璧に不意を突いたと思っていた雲隠れの忍は,驚きを隠せない。
「もう一人居たことなど,最初から分かっている!」
「おのれ!」
不意打ちを仕掛けた忍の方へタイヨウが目を向けたのを見て,もともと正面に居た雲隠れの忍がタイヨウに向かって突っ込む。今度はこちらが背後を取った形だ。
「ふん!」
ブン!!
しかしタイヨウは,やはり後ろ向きのまま振り切られた剣をかわす。
「何で……!?」
「不意打ちが好きなやつらだ。だが……」
ドンッ!!
再びタイヨウは,攻撃をかわした動作から流れるようにカウンターを叩き込む。掌を敵の腹部に当て,後方へ吹っ飛ばした。
「ぐあっ……!なっ,なんだ今の攻撃……!?体が……!」
「……この眼の前では,不意打ちなど何の意味も成さん!」
美しく白いその瞳は,まるで全て見通しているかのようだった。
~~~~~
「水遁・水衝波!」
「土遁・土流壁!!」
繰り出された水流による攻撃を,土の壁で食い止めるヒルゼン。遭遇した雲隠れの忍と,激しい忍術合戦を繰り広げていた。
「それなら……雷遁・感撃波!」
バチチチッ!
雲隠れの忍は,食い止められた水に雷遁を流して壁を破壊しにかかる。
「むっ……!!風遁・大突破!!」
それに対してヒルゼンは,風を起こして雷遁が流れた水ごと吹き飛ばす。
(くそっ,こいつの術の幅広さは何だ……!?こっちが何を繰り出しても,常に有利な属性で切り返して来やがる!これじゃラチが明かねえ!)
ダッ!
雲隠れの忍は矛先を変える。
「知ってるか!雷遁使いの真骨頂は肉体活性!体術もスピードも格段に上がるんだぜ!」
その言葉の通り,猛スピードでヒルゼンに突っ込んでいく雲隠れの忍。しかしヒルゼンもまた,両腕でガードの構えを見せ正面から受け止めるつもりだ。
「無駄だ!吹っ飛べ!」
ドッ!!!ザザザッ!!!!
渾身の力で放たれた拳を,しかしヒルゼンは自らの体で食い止めて見せる。
「……何……!?」
ガッ!
「ふんっ!!!」
ブン!バァン!!!
焦る敵をよそに,ヒルゼンは繰り出された相手の腕をつかみ,投げ技で地面に叩きつける。
「ぐはぁっ!!」(何だこのパワー……!!体術も……並じゃねえ!!)
~~~~~
里の北部――サスケ・サイゾウ vs 金角・銀角
「くそっ,強えな……。」
「これが雲隠れの金銀兄弟か……!」
さすがのサスケとサイゾウも,金角と銀角の圧倒的なパワーの前に苦戦を強いられていた。
「へっへっ,なかなかやりやがるぜこいつら,なあ銀角!」
「おうよ金角!おい,木ノ葉にはお前らほど強い奴らが他にもいんのか?」
木ノ葉の二人に比べ,金銀兄弟はまだいくぶん余裕があるかのような表情だ。
「いるさ……ゴロゴロな。俺たちに手間取ってるようじゃ,到底木ノ葉は潰せやしねえぞ!」
「そうだな……どの道お前らは俺たちが始末するが!」
ダッ!
兄弟に正面から突っ込んでいくサスケとサイゾウ。
「まだやれるみたいだな!面白え!」
体勢を整えて待ち構える金銀兄弟……しかし,
「待て!」
ザッ!!
「あぁ?」
「!!」
「扉間様!?」
彼らの間に,突然千手扉間が割って入る。
「扉間様!どうしてここへ!?」
「こいつらは我々にお任せください!」
驚くサスケとサイゾウに,扉間は素早く指示を出す。
「いや,こやつらはワシが相手する。貴様らは他を当ってくれ。」
「他というと……?」
「恐らくこれは陽動作戦だ。こやつらの他に,正体を隠してこの里に侵入している者がおる!貴様らはそちらを探せ!」
扉間は,雲隠れのあまりにも不自然な破壊活動を見て,別の狙いがあることを察知していたのだ。しかし,扉間が金銀兄弟を引き受けると決めた理由は,それだけではなかった。
「サスケ,サイゾウ。こやつらは恐らく,貴様らが思っている以上に強い……!まだ何か……力を隠しておるな?」
「へっへっへっ……。」
扉間のその言葉に,金銀兄弟は不敵に笑った。
~~~~~
里の北西部――。角都はすでに,滝隠れの額当てを外していた。無駄な戦闘を避けるため,一般人に紛れつつ捜索をするつもりである。
(さて,まずは里の中心部へ向かうか……あの目立つ大きな建物……)
角都が目を向けた先には,屋上に湾曲した柱がいくつも立つ,円柱状の建物であった。外壁には丸く赤い"火"の字の飾りつけ。この建物の最上階に,火影室はある。
(いや……火影は今,重篤……まずは病院から探してみるべきか。)
そう思い立ち,歩き出した時だった。
ザッ……
(……ん?)
「待ちなさい。」
一人の女性が角都を呼び止める。鮮やかな赤い髪にぶら下がる,左右の札がかすかに揺れた。
後書き
お読みいただきありがとうございます!
ついに各地で戦闘勃発。勝敗のゆくえは……?
~千手扉間 vs 金角&銀角~
千手扉間
実 力 :★★★★★
コンディション:★★★★☆
モチベーション:★★★★★
ラ ッ キ ー:★★☆☆☆
金角
実 力 :★★★★☆
コンディション:★★★★★
モチベーション:★★★★★
ラ ッ キ ー:★★★★☆
銀角
実 力 :★★★★☆
コンディション:★★★★☆
モチベーション:★★★★★
ラ ッ キ ー:★★★★☆
~??? vs 角都~
???
実 力 :★★★☆☆
コンディション:★☆☆☆☆
モチベーション:★★★★★
ラ ッ キ ー:★★★☆☆
角都
実 力 :★★★★★
コンディション:★★★★☆
モチベーション:★★☆☆☆
ラ ッ キ ー:★★☆☆☆
※最大評価★5つ 一部例外アリ
※同じ人物でもその時々によって変動アリ
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