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レーヴァティン

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第百八十六話 川を使いその一

                第百八十六話  川を使い
 帝国軍は多くの敵兵や馬達を蘇らせた、久志はその敵兵や馬達を見て言った。
「いや、これはな」
「かなりの数だな」
「それぞれ一万以上いるな」
 正にその復活させた人や馬の数を述べた。
「優に」
「そうだな、これだけの兵や馬を手に入れたことはな」
「やっぱり大きいな」
「敵は戦が終わればな」
「味方になるからな」
「それが俺達の考えだからな」
「ああ、戦が終われば占領した領地の民は帝国の民になってな」
 そしてとだ、久志は正に答えた。
「将兵もな」
「帝国軍に入れるな」
「そうするからな」
 だからだというのだ。
「帝国はこれまで大きくなってきたんだ」
「それならな」
「この連中もな、馬はすぐに使ってな」
「将兵はな」
「戦が終わったらな」
 その時にというのだ。
「捕虜から解放してな」
「帝国軍に入れるな」
「民も帝国の民にしてな」
 そうしてというのだ。
「全部組み入れるさ」
「そうだな、では連中はな」
「ああ、戦が終わるまで牢にいてもらうな」
 捕虜としてというのだ。
「捕虜収容所も今はないしな」
「少し我慢してもらおう」
「そういうことでな、それとな」
 久志はこうも言った。
「将兵の給与もな」
「弾むな」
「ああ、今回も頑張ってもらったからな」 
 だからだというのだ。
「是非な」
「給与は弾むか」
「そうするな、それとな」
 久志はさらに話した。
「軍に給与出すと本当に略奪とかしなくなるな」
「暴行もな」
「しかもちゃんと兵糧もあるとな」
「人は満ち足りていると悪事を働きません」
 夕子がこのことを言ってきた。
「犯罪はかなり減ります」
「根っからの悪党でもないと満ち足りていたら悪事はしないな」
「それは軍隊でも同じで」
 それでというのだ。
「彼等もです」
「ちゃんと給与払って飯食わしてるとな」
「悪事を働きません、あと」
 夕子はここで眉を曇らせた、そうして久志にどうかという顔で述べた。
「男女共に、その」
「ああ、娼婦な」
「そうした人も一緒にいますし」
「やっぱり軍隊にはな」
「そうした人達も必要ですね」
「人間そうした欲求もあるからな」
 性欲、それもというのだ。
「だからな」
「必要ですね」
「どうしてもな」
「やはりそうなりますね」
「そうした人達もいないとな」
 娼婦、男娼も含めた彼等がというのだ。
「軍はまずいな」
「そうですね」
「どうしてもな」
「さもないと」
「最悪の事態になるからな」
「そうですね、ですから」
 それがわかっているからだとだ、夕子は久志に答えた。 
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