| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百八十五話 大騎馬戦その九

「遠距離攻撃に移らないで」
「一気にな」
「突進を仕掛けてきたね」
「ああ」 
 それを選んだというのだ。
「そういうことだな」
「一か八かね」
「こっちに突進を仕掛けてな」 
 そうしてというのだ。
「俺達の守りを破ってな」
「倒すつもりなんだよ」
「そっちを選んだな」
「うん、けれどね」
「こっちもわかっているしな」
「このままね」
「長槍を出してな」
 この浮島ではパイクと呼ばれている、六メートルは優にある非常に長い槍であり守りに非常に強い。
「そうしてな」
「騎兵の突進を防いで」
「そうしてな」
「その槍の後ろからね」
「引き続きだよ」
「銃や術での攻撃を続けるね」
「ああ」
 久志は剛に答えた。
「そうするな」
「敵は正面から来ているわ」
 双葉も言ってきた。
「こっちにね」
「じゃあこのままな」
「槍を出してね」
「それで防いでいってな」
「後ろから攻めるな」
「ああ、そうするな」
 こう言うのだった、双葉にも。
「引き続き」
「それじゃあね」
 双葉も頷いてだった。
 軍は久志の言う通りに動いた、すると。
 敵軍は槍に突撃を防がれそうしてまた銃や術の攻撃を受けた、そうしてだった。
 次々と倒れていった、久志はその状況を見てまた言った。
「このままな」
「はい、敵の突進を防ぎ」
「そうしつつですね」
「攻撃を続ける」
「そうしますね」
「ああ」
 こう将兵達に答えた。
「そうしていくぞ、そして敵が弱りきるまでな」
「戦いますね」
「このままの状態で」
「そうしますね」
「そうする、そしてだ」
 久志はさらに話した。
「弱りきったらな」
「その時にですね」
「攻めますね」
「我々が」
「ああ、その時にまた俺が命令を出すからな」
 そうするというのだ。
「待ってくれよ」
「わかりました」
「それではですね」
「今はですね」
「守りますね」
「そうするな」
 こう言ってだ、そしてだった。
 久志は陣を崩さず突進してくる敵と戦い続けた、そうして。 
 敵の数がこれはというまで減ったところで前身を命じた、すると。
 敵はまだ突撃してきた、これには久志も驚きそれで謂った。その驚きが表情にも出ていて横から源三が言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧