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真実を知った孫

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第三章

「僕ずっと可愛がっていて」
「家族だったからだね」
「ミリーを。そして子犬達も」
「そうだったんだ」
「はい、それで急にいなくなって凄く悲しかったんですが」
「君のお祖母さんがね」
 上田さんはただ事実だけを話した。
「ボランティアの人が殺処分寸前でお母さんが子犬達に最後のお乳をあげている時に」
「拾ってくれたんですか」
「それで今わしが飼ってるんだよ」
「そんなことがあったんですか」
「うん、そうだよ」
「この子達殺されたかけたんですね」
「君のお祖母さんにね、知らなかったんだね」 
 上田さんはそのことに驚いて言った。
「君は」
「ええ、ただ」
 少年は上田さんとここまで話してだった。
 急にだ、身体がワナワナと震えだし。
 顔が真っ赤になり憤怒のものになった、そのうえで怒りに満ちた声で言った。
「あのクソババア、生き地獄を味合わせてやる!!」
「どうしたんだい?」
「何もないです、じゃあ」
 こう言って上田さんに別れを告げてだった。
 少年は駆け去っていった、それは恐ろしい速さだった。
 後日山村はボランティア団体の事務所で一緒に働いている人からその話を聞いた。彼にその犬達を捨てさせた老婆のことを話した人だ。
「あのお祖母さん凄いことになったそうです」
「凄いことっていいますと」
「ある日お家に帰ったお孫さんが犬のことでの報いだって言って金属バット持って襲い掛かってきたそうです」
「家庭内暴力ですか」
「犬達のことをお孫さんが上田さんから聞いて」
「会ってですか」
「たまたま会って犬達が一緒にいて」
 散歩に連れて行っていてというのだ。
「それで犬達のことを聞いて」
「それで、ですか」
「殺してやるって怒り狂って」
 それでというのだ。
「金属バットで襲い掛かって」
「それは凄いですね」
「たまたまそこにいたお祖母さんの妹さんが止めて」
「暴力にはですか」
「至りませんでしたがもうお孫さん怒り狂って」
 バットで殴る事態は避けられたがというのだ。
「お祖母さんの持ちもの全部その場で業者さん呼んで売り飛ばして出て行けって怒鳴り散らして」
「それで、ですか」
「お祖母さんが一時その時一緒にいた」
「お祖母さんの妹さんがですか」
「お孫さんを宥めてお祖母さんを家に連れて行ったんですが」 
 それでもというのだ。
「元々日頃の行いはとんでもなく悪くて」
「親戚中から嫌われていて」
「もう誰も引き取らなくて」
「老人ホームですね」
 老人の引き取り手がない、それならそちらに入ることになる。山村は常識から話した。
「そこに入ることになりましたか」
「いえ、精神病院です」
「精神病院!?」
「実はそうしたやり方もありまして」
 その人は山村に話した。 
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