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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第四百四十八話 荒ぶる神スサノオその六

「ああはならなかった」
「そうですね」
 鬼太郎は父の言葉に頷いた。
「若し道を間違えなければ」
「大きなことが出来た」
「そうでしたね」
「よい意味でな」
「あれで心は澄んでおった」
 ぬらりひょんのそれはというのだ。
「心が澄んでおってもな」
「道を誤るとですね」
「ああなる」
「兄上も道を誤らなければ」
 アデルはやや俯き沈痛な顔で述べた。
「そうであれば」
「ああはならなかった」
 深海も言った。
「人は道を誤らないことも大事か」
「お前さんはいつも間違えておるな」
 砂かけ婆はねずみ男を見て言った。
「仕方ない奴じゃ」
「けれどこの人今もいるよな」
「そうだよな」
 シブヤとナリタはこのことを指摘した。
「普通に」
「いつも道を間違えていても」
「それはこの人は妙に運があってまた世の中がわかってるからでしょ」
 アカリは二人に答えた。
「だからね」
「何かんだで生きていられるんだな」
「とんでもないことになっても」
「こ奴は妙に憎めぬしな」
 目玉の親父もねずみ男のことを話した。
「それに間違えてもぬらりひょん達みたいに大きく間違えぬ」
「俺は金や食いものは好きだけれど権力とか理想とかには興味がねえぜ」
 それはと言うのだった、ねずみ男自身も。
「そんなの何の意味があるんだよ」
「そこじゃ、なまじ俗に親しんでおるからな」
「それでなんだな」
「お前はいつも間違えていてもな」
「あんなことにならねえんだな」
「そうなのじゃ」
「へっ、理想や正義に燃えてとんでもねえことすること程馬鹿なことはねえぜ」
 ねずみ男はぬらりひょんのことを思い出して話した。
「それよりもな」
「お前の様にじゃな」
「してる方がいいだろ」
「それもそうじゃな」
「とはいってもスサノオみたいな遊びもな」
 ねずみ男は自分達の今の敵のことも話した。
「興味ねえけれどな」
「戦いを仕掛けることはしない」
「そうだよ、旅行に行ったりゲームしてな」
「楽しめばいい」
「そうだろ」 
 こう塗り壁に言った。
「それでな」
「確かに」
「酒飲んで美味いもん食ってりゃ幸せだろ」
 ねずみ男はこうも言った。
「それでな」
「俺もそう思うよ」
 天空寺はねずみ男の言葉に頷いた。
「本当に」
「そうだろ」
「けれどスサノオは違っていて」
「俺達に喧嘩売ってきてるんだな」
「自分の退屈凌ぎにね」
「俺達と戦って俺達の姿を見てか」
「人間のね。君達は妖怪だけれど」
 それでもというのだ。
「その戦う姿と成長、そして心の素晴らしさをね」
「見ているんですね」
「うん、それがスサノオの楽しみなんだよ」
 天空寺は鬼太郎にも答えた。
「そうした奴とわかってね」
「戦っていくことですね」
「そんなのしないで温泉にでも入ってろよ」
 すねこすりは心から思った。 
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