ロックマンX~Vermilion Warrior~
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クリスマス
前書き
Xdiveでクリスマスヴァジュリーラだと!?
12月25日はクリスマス。
今日はイレギュラーとの戦闘を生業とするイレギュラーハンター達も久しぶりに賑やかな雰囲気を醸し出していた。
「ジングルベ~ル♪ジングルベ~ル♪鈴が鳴る~♪」
楽しそうに飾りつけをするのは白衣の裾を靡かせながらクリスマスツリーの飾りつけをするハンターから科学兼技術班に異動したルナであった。
「楽しそうだねルナ」
「お、アクセル!当然だろ!クリスマスと言えば美味い物が食える上に子供はサンタに扮した保護者から欲しい物をゲット出来る日だぜ!」
「うん、クリスマスって大体そんなだけど、もうちょっと言い方考えようか?」
子供の夢を壊しかねない発言にアクセルは思わず溜め息を吐いた。
以前は先輩側を困らせる方だったアクセルだが、過去の事件の影響で幼さが大分抜けたためにどことなく苦労人臭を漂わせている。
「さーて、子供達にプレゼント配っちゃいますか。と言ってもクッキーだけど」
度重なるレプリロイドによる戦乱によって地上は荒廃しており、物資が不足している現在では子供達がまともに喜びそうな品を入手するのは困難と言うか不可能に近いので、クリスマスケーキならぬクリスマスツリーを象ったクリスマスクッキーを配ることになっている。
因みにこれはハンターベースの女性陣お手製である。
「しかし、毎回疑問に思うが、何故ガキ達が寝た後に配るんだ。もう少し早く配った方が今後の予定に支障は出ないだろう」
「ゼロ…最近はイレギュラーによる騒動が大分収まってきたとは言え、未だに人間の人々は外に出ることはあまり出来ない。当然子供達もイレギュラーに怯えるわけだからこうやって少しでも明るい話題を届けてあげるんだ」
「そうそう、サンタさんからのプレゼントなんて子供達は絶対に喜ぶよ」
「玩具でもケーキでもないクッキーだけどね。少しでもみんなに明るくなって欲しいわ」
深夜でのプレゼント配達に疑問を抱くゼロに地下にいる子供達の人数を確認するエックスとクッキーの数を確認しているルインとアイリスの言葉に渋々納得した。
「それにしても良く子供のためにこんなことするよね。ハンターになった時はびっくりしたよ」
「まあ、ハンターは業務上仕方ないけどイレギュラーとの戦闘中で街や物を壊したりすることがあるから、イレギュラーと同じように恐れられていたりするからそれを払拭するためでもあるんだよ。まあ、私の場合はサンタさんの正体が実は両親でしたなんて悲しみを子供達に味わって欲しくないからだけど」
「…でもさ、そう言う悲しみを味わって人間って大人になるんじゃないの?」
「そう言う正論は止めてよアクセル!良いじゃない子供の時くらいは夢を見ても!」
アクセルの現実的な正論にルインは思わずクッキーを握り潰しそうになりながら叫んだ。
因みにソニアには既に渡しており、サイバーエルフであるソニアはクリスマスの情報が飛び交うサイバースペースにいる。
そして深夜となり、早速子供達にプレゼントを配ろうとする。
因みに全員は潜入操作などに使うクリスマス専用装備で地下に潜った。
「えーと、これで最後だね」
「ああ、これで全部配ったぞ」
リストを確認して自分達の班の分を配り終えたルインとエックス。
すると、他の子供達に配っていたことゼロとアクセルからの通信が来た。
『こちらゼロだ。こちらの分は全て配り終えた』
『聞こえる?アクセルだよ、こっちの分も配り終えたよ』
「ありがとうゼロ、アクセル。今日はお疲れ様、アイリスとルナにもよろしくね」
『『了解』』
通信が切れるとルインはエックスに振り返る。
「ゼロとアクセルの班も終了したって」
「そうか、最近はイレギュラーの発生率も下がっているし…これからずっと平和なら良いんだけど」
「正直、今はイレギュラーよりもエネルギー問題だよね。エネルゲン水晶も大分枯渇してきたらしいし」
「ああ、マイヤールビーも大分数を減らしている…今は古代のエネルギー技術を復活させることで何とかなっているし…何とか新しいエネルギー資源が見つかれば良いんだけど…」
「そう言えば、ルナが新しいエネルギーを造るとか言ってたよね…ルナなら何とかなりそう」
「そうだな」
「あ、そうだ!メリークリスマス!エックス…って言っても私のクッキーだけどさ」
エックスに差し出したのはルインが貰ったクッキーである。
「…ルイン、俺には俺の分があるから自分で食べたらどうだ?」
「いやいや、私のはバタークッキーだけど、エックスはココアでしょ?半分にして、エックスのも半分にして私に頂戴」
「なるほど」
半分にすれば丁度1人分だ。
エックスは早速自分のクッキーを半分にしてルインに差し出す。
「ありがとう、早速頂きます」
半分にしたクッキーを美味しそうに食べるルインを見てエックスはこんな穏やかな時間が続けば良いのにと心から思った。
一方、先にハンターベースに戻ったゼロとアイリス、アクセルとルナの班はハンターベースに帰投し、クリスマスパーティーで酔い潰れたのであろう、ハンターやらオペレーターの屍に溜め息を吐いていた。
「クリスマスパーティーに参加しなくて正解だったな」
「みんな見事に酔い潰れてるわね」
「ダグラスまでいるよ。」
「おーい、おっさん。生きてるかおっさん」
「うーん…あんまり揺らさないでくれ…頼む…」
軽く揺するとダグラスの死にそうな返答が返ってきた。
「そんな状態になるまで飲むなよ全く」
「同感だな」
「ま、まあ、こういう時じゃないと騒げないだろうし。今日くらいは大目に見ようよ」
「そうね」
溜め息を吐く者と苦笑する者がこの惨状を曝している場から去った。
そしてある場所ではワイリーとライト博士が女神に絡まれていた。
「女神殿、飲み過ぎではありませんか?」
「えー?そんなことないってー、これくらい普通だよー」
「ほう、酒瓶を20本を飲み干すのが普通か?この救いようのない駄女神め」
「あー!私のこと駄女神って言った!謝って!私を駄女神って言ったこと謝って!!」
泣き喚く女神に同居人の過去の天才が深い溜め息を吐いた。
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