レーヴァティン
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第百八十四話 馬封じその十四
「そうやったからな」
「屯田制はしててもな」
「深刻な状況やった」
「それでだったな」
「兵糧の確保の為にな」
「そこまでしないと駄目だったな」
こうした事情があったのだ。
「本当に」
「そや、それでや」
「そんな事態はな」
「もう洒落になってない状況でや」
「そこまでなること自体がな」
「とんでもないことや」
「酒を造るなっていう位兵糧が心配だとな」
久志もこう言った。
「もうな」
「そういうことや」
「俺達そこまでいってるどころかな」
「兵糧は充分にあってな」
「帝国領も食いものは豊富だしな」
「家畜まで丸々としている位にな」
「だったら禁じる必要はないな」
久志は結論を出した。
「そうなるな」
「そやな、それでビールも」
「どんどん造らせてな」
「産業にしよな」
「そうだな、じゃあな」
「ちゃんと造らせような」
「そうするな」
こう言ってだった。
久志は仲間達と共にビールを飲んだ、そして。
翌朝見事に二日酔いになってこう言った。
「ビールで酔うとな」
「辛いよね」
「ああ」
剛に応えた。
「かなりな、じゃあな」
「今からだね」
「温泉入って来るな」
その二日酔いをどうにかする為にというのだ。
「そうしてくるな」
「じゃあ行って来てね」
「お前は大丈夫か?」
「僕は平気だよ」
剛は久志ににこりと笑って答えた。
「別にね」
「かなり飲んだのにか」
「うん、それでもね」
「そういえばお前酒強いよな」
「それでなんだ」
「そうなんだな」
「だから僕は平気だよ」
剛は実際に落ち着いた顔で答えていた。
「ここで待ってるよ」
「そうか、じゃあな」
「うん、今日は今から温泉に入って」
「水にも浸かってな」
「すっきりしてくるね」
「そうしてくるな」
久志は剛にこう答えてだった。
そのうえでまずは温泉に入った、湖とそこを交代で入ってすっきりしてそうしてから朝食を食べた。その時にはもう酒は完全に抜けていた。
第百八十四話 完
2020・11・1
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