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オズの木挽きの馬

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第五幕その十

「機会があれば」
「それは何よりだな」
「あの人と織田信長さんと坂本龍馬さんと源義経さんは」
「是非なんだな」
「オズの国におられたら」
 それならというのです。
「機会があれば」
「どの人もいるぜ」
「そうなんですか」
「ああ、日本のヒーローだからな」
「それでなんですね」
「他の人達だってな」
 今恵梨香が言った人達以外もというのです。
「いるからな」
「お会いする機会があれば」
「会ってな」
 そしてというのです。
「お話しろよ」
「わかりました」
「そういうことでな、しかしな」
「しかし?」
「嬢ちゃんみたいに喜んでくれたらな」
 それならというのです。
「おいら達も嬉しいぜ」
「そうですか」
「やっぱり人間笑顔が一番だぜ」
 こうも言う佐助さんでした。
「人に向けていいのは笑顔だけってな」
「そうですか」
「おいらは思うしな、ただ悲しい気持ちになったらな」
「その時はですか」
「おいら達に言えよ」
「十勇士の皆さんにですか」
「そして殿にな」
 幸村さんにというのです。
「絶対に笑顔にしてやるからな」
「どれだけ悲しくてもですか」
「ああ、その時は心から笑わせてやるよ」
 佐助さんは恵梨香に明るい笑顔で約束しました。
「絶対にな」
「そうしてくれますか」
「オズの国では悲しいことは殆どないけれどな」
「苦しいことも困ったことも」
「外の世界よりずっと少ないけれどな」
 それでもというのです」
「その時はな」
「佐助さん達がですか」
「笑顔にしてやるよ」
「じゃあその時も」
「おいら達に言えよ」 
 こう恵梨香に言いつつです、佐助さんは小舟を動かしてです。
 向こう岸に向かいました、そしてでした。
 向こう岸に着くとです、皆は小舟を下りて佐助さんにお礼を言いました。その後で、でした。佐助さんは。
 皆に対して笑顔で言いました。
「じゃあまたな」
「はい、お会いしましょう」
 まずは五人が挨拶を返してでした。 
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