| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズの木挽きの馬

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五幕その八

 動いていきました、佐助さんは立ったまたえんやとっと、という具合に船を進ませていますが皆はその中で。
 小舟の中から外をみます、川とその周りの景色を。そうしながら木挽きの馬がこんなことを言ってきました。
「こうして景色を見るのもね」
「いいわよね」
 恵梨香が応えました。
「これもまた」
「そうだね」
「ゆっくりと小舟が進んで」
「その中で自然の景色を見るのもね」
「いいものよね」
「川に野原に山に」
 小舟の中からそうしたものが見えます。
「そうしたものが見えてね」
「素敵よね」
「うん、歩いて進むのもいいけれど」
「こうしてね」
「旅をするのもいいね」
「そうでしょ」
「今思うよ」
「私もよ」
「何か自然とね」
 ナターシャが言ってきました、
「日本にいる感じがするわ」
「昔の日本にね」
 神宝も言います。
「そんな感じがするね」
「戦国時代とか江戸時代とかね」
 ジョージは具体的な時代を挙げました。
「その頃の感じがするね」
「時代劇の中にいるみたいな」
 カルロスはこう言いました。
「そんな風だね」
「ええ、オズの国でこんな感覚が楽しめるなんて」
 恵梨香は四人にも応えました。
「流石オズの国ね」
「お伽の国だからね」
「昔の日本も楽しめるね」
「いつも何かがあるから」
「それでね」
「そうよね、オズの国にいると」
 それならというのです。
「昔の日本も楽しめるわね」
「勿論他の国のこともね」
「何かと楽しめるね」
「色々な国の昔の時代もね」
「それが出来るね」
「ええ、オズの国は同じ時代のアメリカが反映されて」
 そしてというのです。
「アメリカに色々なものがあるとね」
「それが反映されてね」
「色々なものが出て来るね」
「日本だってそうだね」
「アメリカに日系人の人達がいたら」
「こうして日本もあるのよね」
「だからおいら達もいるのさ」
 小舟を動かす佐助さんも言ってきました。
「こうしてな」
「そうなりますね」
「最初この国に来た時は驚いたけれどな」
「安土桃山時代の日本と全く違うのね」
「おいら達全員何が何だかわからなくてな」
 それでというのです。
「もう十勇士で一番落ち着いてる才蔵でも驚いていたぜ」
「あの人までだったんですね」
「けれど殿はその中でも落ち着いておられて」
 幸村さんがというのです。
「それでな」
「幸村さんに言われてですか」
「皆落ち着いてオズの国の人達と話してな」
「オズの国のことをわかって」
「落ち着けたぜ」
「どんな国かわかって」
「それでな」 
 そのうえでというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧