星河の覇皇
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第七十六部第三章 エウロパから見た死闘その四十五
「実に」
「そうだね、ではね」
「これからもですね」
「このことは守るよ」
絶対にという言葉だった。
「私はね」
「それでは」
「このままね、それでサハラはね」
この国のことをあらためて話した。
「今恐ろしいまでの激戦を繰り広げているね」
「双方の戦力の七割以上を失うまでにですね」
「戦場ではね」
即ちアッディーンとシャイターンが直接戦闘を繰り広げている場所でだ、他の国境では戦闘は行われていない。
「そうなっているね」
「あそこまでの激戦は。私は軍事には疎いが」
「それでもだね」
「そうはなかったと聞いています」
「そしてそれはどうもね」
「実際にですね」
「知り合いの軍人の人が言っていたよ」
ドイツ出身の将官の者だ、ランズハイムの友人の一人だ。
「あそこまでの死闘はね」
「そうはないですか」
「らしいよ、そしてそこにはね」
「誇りがですね」
「あるね」
サハラ軍人達のそれがというのだ。
「そしてそれはね」
「否定せずにですね」
「エウロパから見るよ」
「そうされますか」
「その様にね、では今は」
「このベルリンにおいて」
「私の務めを果たすよ」
ドイツ貴族院議員のそれをだ。
「会議の間はね」
「わかりました」
執事も応えた。
「それではです」
「爺やもだね」
「いつも通りです」
その務めをというのだ。
「果たします」
「そうだね、爺やもだね」
「私は代々お仕えしています」
ランズハイム家にというのだ。
「そしてそのことがです」
「爺やの誇りだね」
「ですからその誇りに従い」
「励んでくれるんだね」
「そうさせて頂きます」
執事はランズハイムに笑顔で応えた。
「これまで通り、そして今もこれからも」
「ではね」
ランズハイムも笑顔で応えた、そうしてデザートまで楽しみそのうえで夕食後も仕事に励むのだった。貴族院議員としてのそれに。
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