オズの木挽きの馬
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第四幕その五
「じゃあね」
「あっ、私達は貴女の縄張りを出たの」
「ええ、私達の群れのね」
それのというのです。
「今出たわ」
「だからなのね」
「もう私は後ろからついて来ないわ」
「そうするのね」
「あくまで縄張りを出るまでだから」
後ろからついて来ることはというのです。
「これでね」
「終わりね」
「ええ、機会があったらね」
その時はというのです。
「また会いましょう」
「またね」
こうお話して一行はニホンオオカミと別れました、そしてです。
皆はさらに先に進みました、その中で今度はです。
柿を見付けました、木挽きの馬はその柿を見上げて言いました。
「そういえば柿も」
「そう、日本のね」
恵梨香がまた答えました。
「果物だから」
「日本のものだね」
「そうなの、美味しいわよ」
「恵梨香は柿好きなんだ」
「大好きなの」
にこりと笑っての返事でした。
「実はね」
「そうなの」
「それでね」
恵梨香はさらに言いました。
「これからね」
「柿を食べるんだ」
「そうしたいけれど」
「柿は宮殿でも食べられるけれど」
グリンダが言ってきました。
「それでも」
「何かありますか?」
「こうした木に実っている柿は」
これはといいますと。
「ずっと食べていなかったわ」
「そうなんですか」
「柿も他の果物も切られていて」
「それで、ですか」
「すぐに木からもいでね」
それでというのです。
「食べることはね」
「ないですか」
「そうなの」
こう恵梨香にお話しました。
「だから今からね」
「食べますか」
「そうしたいわ」
「そうですか、それじゃあ」
「今から食べましょう」
その柿をというのです。
「これからね」
「それじゃあ」
「はい、食べましょう」
「今から」
こうお話してです、そしてでした。
グリンダが最初にでした、木から柿をもいで。
そのうえで食べました、するとこう言いました。
「確かにね」
「柿が美味しいですね」
「ええ」
実際にというのです。
「新鮮でね」
「確かに」
恵梨香もその柿を食べて言います。
「この柿はです」
「美味しいわね」
「しかしね」
モジャボロも言いました。
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