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HOUSE OF LOVE

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第一章

                HOUSE OF LOVE
 休日だというのに雨だ、それも金曜の夕方からだ。
 私は土曜日のお昼に窓の外を見てぼやいた。
「ずっと降っているわね」
「仕方ないよ」
 穏やかな顔の彼はその私にこう言った。
「雨のことはね」
「諦めるしかないのね」
「折角二人で遊びに行くつもりだったけれどね」
「原宿に行こうと思っていたのに」 
 そして渋谷にも行くつもりだった。
「そうだったのに」
「行けることは行けるけれどね」
「雨に行っても」
 原宿にしても渋谷にしても外を歩く場所だ、お店にも入るけれど私としてはそちらがメインになる。
「仕方ないから」
「そうだよね」
「だからね」
 本当にその為にだ。
「お家の中にいるけれど」
「二人で部屋にね」
 同棲しているお部屋の中にだ、二人で本を読んだりゲームをしたりして静かにしている。
「昨日の夜からそうしているけれど」
「退屈かな」
「退屈っていうか」
 そうは思わないにしてもだ。
「静かでね」
「それがなんだ」
「賑やかな場所に行きたかったのに」
 それがだ。
「ずっとだから」
「天気予報見たら」
 彼は自分のスマホを出して確かめてきた、こうした時にスマートフォン程便利なものはない。
「明日は晴れだよ」
「そうなの」
「朝からね」
「じゃあ待つわ」
 そう聞いてだ、私は気を取り直した。実は気を取り直すというところまでいかず明日ならと思った位だ。
「今日はね」
「本読んでゲームして」
「それと」
 彼にそっと近寄った、そうして耳元で囁いた。
「いい?」
「まだお昼だよ」
「お昼でもお外に出ないし」
 それにだ。
「二人きりなのよ」
「それならだね」
「丁度いいでしょ」
 そうしたことをするのならとだ、彼に囁いた。
「そうでしょ」
「そうだね、じゃあね」
「ええ、寝室行きましょう」
 二人が一緒に寝ているそこでだ。
「そうしましょう」
「それじゃあね」
「そうしたら」
 静かな時間もだ。
「変わるわね」
「そうだね、言われてみれば」
 彼は私の提案に微笑んで頷いてくれた。
「それじゃあね」
「今からね」
「楽しもうね」
「そうしましょう」
 こうしてだった、私は彼と寝室に入って楽しんだ、じっくりと時間をかけてそうしてからだった。
 私は服を着てキッチンに出てじっくりと時間をかけて晩ご飯を作った、二人共働いているので普段は作れない様なメニューを幾つか作った。
 それで彼も食べる時に私に言ってきた。
「随分と凝ったメニューばかりだね」
「時間があったから」
 彼に微笑んで話した、彼は彼でお部屋全体をじっくりとお掃除していた。奇麗好きなのでこうしたことは私よりしてくれた。
「だからね」
「それでなんだね」
「あなたがお掃除してくれている間にね」
「作ってくれたんだ」
「そうよ、じゃあ今からね」
「一緒に食べようね」
「ええ、それにしても」
 ここでだ、私は。 
 テーブルに座っている自分達の周りを見た、すると。 
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