犬と温泉
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三章
朝は朝食前に一家に散歩に出たが。
「ワンワン」
「クロ機嫌いいね」
陽菜はリードを持ちつつその先で元気に歩いているクロを見て両親に言った。
「凄く」
「そうね、嬉しそうで何よりね」
母もそのクロを見て目を細めさせる。
「クロも」
「そうだね。連れて来てよかったよ」
父もクロを見て笑っている。
「クロをね」
「そうよね」
「どうしようかって思ったけれどね」
「クロも一緒にってね」
「連れて行けるかも心配だったけれど」
「連れて行けたから」
「連れて来たけれど」
そうしたらというのだ。
「凄くね」
「喜んでくれているから」
「よかったわね」
「そうだね」
「ねえ、お父さんお母さん」
陽菜は二人に顔を向けて言った。
「明日帰るのよね」
「そうだよ」
父は娘に微笑んで答えた。
「車でね」
「そうよね、じゃあ今日はずっとね」
「クロといるんだね」
「お風呂に入る時もね」
クロは温泉に入らないがだ。
「そうするよ」
「そうだね、じゃあね」
「それならよね」
「楽しもう」
「今日もクロと一緒に」
「そうしていこう」
父は娘に言った、そしてだった。
親子三人でクロと一緒に楽しんだ、温泉でもう一日楽しみ。
次の日の朝家に帰った、陽菜は家に帰るとクロに満面の笑顔で言った。
「クロ、また行こうね」
「ワンッ」
クロは明るく鳴いて応えた、そうして両親もそんな彼等を見て笑顔になった。
犬と温泉 完
2020・11・26
ページ上へ戻る