レーヴァティン
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第百八十一話 東から西へその二
「あいつの方に置いたんだよ」
「そうですか」
「確かにこっちもな」
「敵は騎兵隊が多いです」
「けれどな」
「あちらの方が平野が多いので」
「そっちに回したんだよ」
進太の方にというのだ。
「騎兵隊の指揮官はな」
「そうしたんだよ」
「確かに。これから行くトランシルバニアは山が多いです」
ガンダルフはこの地域の話をした。
「そして木々も多く」
「馬で攻め込むにはな」
「不向きです」
「そのことも聞いてたからな」
「これから進む地形のことを」
「だからな」
それでというのだ。
「そのことも考えてな」
「騎兵隊はあちらに回したのですね」
「ワルシャワの方にな、ただ俺達もな」
久志は自分達の軍勢の話もした。
「騎兵隊はな」
「しっかり連れて来ていますね」
「ああ、そしてな」
そのうえでというのだ。
「俺自身が率いてな」
「戦いますね」
「そうするな、それとな」
「それと、とは」
「これから俺達が行くそのトランシルバニアってな」
久志は今度はこの地のことを話した。
「モンスター多いよな」
「うん、その山にね」
剛が言ってきた。
「多くいるよ」
「そうだよな」
「だから領主と戦うことになっても注意しないといけないけれど」
「モンスターのこともだよな」
「注意しないとね」
その両方にというのだ。
「駄目だよ」
「そうだよな」
「あの地域の攻略はね」
「難しいな」
「複雑な地形に多くのモンスターのせいでね」
「中々厄介だな」
「しかもあの辺りで一番勢力の大きい領主は」
剛はその彼のことも話した。
「戦が強いだけじゃなくて」
「プラスアルファがあるんだな」
「物凄く残虐だからね」
「そんな奴か」
「民衆がちょっと悪事を働くと手足ばらばらにして目をくり抜いてお鼻も耳もそぎ落として舌もっているね」
「人豚かよ」
久志は剛の話したその処刑を聞いてこの話を思い出した、漢の高祖劉邦の皇后呂后が自分と息子を脅かした劉邦の寵妃にしたことだ。
「それをかよ」
「ものを盗んだとかね」
「そんなことでするのかよ」
「その盗人だけじゃなくて家族全員にもね」
「おい、無茶苦茶だな」
「自分の愛人が不倫したら腹切り裂いたらしいし」
剛はその話もした。
「敵の捕虜も火炙りとか串刺しとか車裂きとか」
「無茶苦茶だろ」
「そうしてきているよ」
「俺だって八つ裂き位の処刑はしてるさ」
久志は自分の統治の刑罰のことも話した。
「その人豚だってな」
「君もしてるね」
「ああ、けれどな」
していることはしているがというのだ。
「それはあくまでな」
「重罪人にだけだね」
「人を遊びで殺す様な、な」
何時の時代でも存在すら許されない様なレベルのというのだ。
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