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夢幻水滸伝

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第百六十八話 力の差その十四

「そうさせてもらうで」
「言ってくれるわね、けれどあたいは強いわよ」
 アレンカールは中里に不敵な笑みで返した。
「そのことはわかってるわね」
「ああ、よくな」
「あんたも強いけれどね」
「自分もな」
「勝つのはあたいよ」
「そう言ってくれるか、そうこなな」
 中里も不敵な笑みで返して言う。
「こっちも闘いがいがないわ」
「そういうことね、じゃあ」
「一騎打ち続けるか」
「望むところよ、行くわよ」
 アレンカールは身構え身体に力を込めた、そして。
 ケツアルコアトルと共に中里に突き進み拳を繰り出した、突進する速さは中里のそれよりも遥かに速かった。 
 中里を右の拳が襲う、だが。
 中里はそれをかわす、そこにだった。
 アレンカールは左の拳も繰り出す、そしてまた右を。
 左右の拳を繰り出す続ける、中里はそれをかわしながら言った。
「見事や」
「あたいの拳はっていうのね」
「かなりな、けどな」
「それでもよね」
「僕やったらかわせる」
 見ればアレンカールの激しく素早い拳の応酬を見切っている、紙一重でかわし続けている。そうしつつ言うのだ。
「この通りな」
「そうね、けれどよね」
「かわせはするが」
 それでもというのだ。
「ちょっとな」
「かわすだけで手が一杯ね」
「今のところはな」
「今のところは、なのね」
「そや」
 拳だけでなく蹴りも来た、それは一旦逆立ちして両足を駒の様に激しく回して繰り出すカポエラのものだ。
 両手で身体を支え激しく駒の様に回転して蹴りを浴びせる、しかも。
 ただ蹴りを繰り出すのはなく足に炎と氷をそれぞれまとわせている、鵺は紅蓮の右足と氷河の左足で赤と青に輝く駒の攻撃をかわしつつ中里に言った。
「おい、アレンカールさん本気やぞ」
「わかってるわ、これがこいつの闘い方や」
「武器を使うのと一緒にやな」
「格闘術も使うんや」
「足も使ってやな」
「両手にそれぞれある神具も厄介やが」
 それだけでなくというのだ。
「これや」
「足技か」
「しかも術も加えてな」 
 そしてというのだ。
「やって来るんや」
「そういう奴やねんな」
「そや、一騎打ちもそれぞれやな」
「まさに十人十色やな」
「それでこいつの闘い方はな」
 中里も鵺の背で攻撃をかわしつつ言う。 
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