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夢幻水滸伝

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第百六十八話 力の差その一

               第百六十八話  力の差
 日本軍と連合軍の戦闘は日本軍が乗り込んだエルドラドや海だけでなく空でも激しいものになっていた、日本軍の空船達は連合軍の空船達を攻めているが。
 その戦局を見て室生は自身が乗っている空船出雲の艦橋で難しい顔で言った。
「よくない」
「今の戦局は」
「そう言われますか」
「そうだ、敵は数を使ってだ」
 その多さをというのだ。
「我々を包囲しようとしてきている」
「確かに、徐々にですが」
「我々の左右に来ています」
「その動きを見ますと」
「ここはですね」
「我々を包囲してだ」
 そうしてとだ、室生は兵達に話した。
「数を頼りにだ」
「攻撃してですね」
「殲滅する」
「そうしてきますね」
「そう考えている、ならだ」
 室生はその整った目を顰めさせて言った。
「一つ考えがある」
「といいますと」
「どうされますか」
「ここは」
「艦隊を降下させる」
 こう兵達に言った。
「そうする」
「降下ですか」
「艦隊を降下させますか」
「そうしますか」
「そうだ、そして砲を上に向けてだ」
 各艦のそれをというのだ。
「敵の空船の船底を攻撃する」
「船底ですか」
「そこをですか」
「攻撃しますか」
「空船も船底は弱い」
 水上船とは違い装甲はある、だがそれでも上部よりは攻撃されることが極めて少なくそちらの守りは弱いのだ。
 だからだ、室生はそこを衝くというのだ。
「そこを攻撃してだ」 
「逆にですね」
「敵を倒していく」
「囲まれる前にですね」
「そうしていく、ここは」
 こう言うのだった。
「いいな」
「わかりました」
「それならです」
「ここはそうして攻めましょう」
「囲まれる前にだ」
 見れば実際に連合軍の空船の艦隊は数を使って日本軍の空船の艦隊を囲もうとしている、室生はそれを見て言うのだ。
「囲む、そして下から攻めて敵を減らすが」
「それだけではない」
「そうなのですね」
「そこからさらにですね」
「攻めるのですね」
「下の次は上だ」
 そこからというのだ。
「そして上から今度は爆弾を投下してな」
「今度はそちらからですね」
「敵を攻める」
「そうしますか」
「そうする、こちらの機動力を活かしてだ」
 そのうえでというのだ。
「縦横に攻める、確かに数はこちらが圧倒的に少ないが」
「それでもですね」
「艦艇の質はこちらが遥かに上」
「こちらは鉄の船です」
「対するあちらはほぼ木製です」
「しかも帆船です」
「質が全く違う、そして将兵の練度もだ」
 これもというのだ。 
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