宇宙戦艦ヤマト2199~From Strike Witches~
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出航編
第6話 氷漬く鋼鉄の屍
前書き
1週間も空きが生じてもうた…
西暦2199年2月13日 冥王星某所 ガミラス軍テロン攻略部隊司令部
「ヒルパ少将が戦死なされるとは…ええいテロンめ、この様な戦艦を隠し持っていたとは…」
ガミラス軍司令部で、シュルツはモニターを睨み付けながら唸る。
モニターでは、十数機の戦闘機が敵艦隊に奇襲を仕掛け、複数艦を撃破していく。その近くでは数機の航空機とは思えぬ姿をした人型の兵器が舞い上がり、ネウロイを次々と破壊する。
やがてすべての対艦装備を使ったのか、敵機は大急ぎで後退していくが、敵機を撃ち落とすために対空砲火を上げる中、今度は「ヒパリオン」が何処からともなく飛んできた青白い光線に撃ち抜かれる。
「ヒパリオン」が沈黙した直後、モニターの奥に現れたのは、テロンの大気圏内にて初めて捉えられた、異形の宇宙戦艦だった。
これまでのテロンの宇宙船とは全く異なる設計思想に基づいて建造されたその宇宙船は、従来のテロン艦はおろかガミラス軍艦艇のそれをも上回る威力と射程を持つ兵装で第11警務艦隊とネウロイ艦隊を蹂躙し、この後追撃でガミラス艦隊を蹴散らした後は、監視衛星すら欺いて姿をくらまし、現在何処へ向かっているのか判明がつかない状況になっていた。
「これまで反攻を仕掛けてくる事が無かったからとはいえ、やはりズピスト以降の宙域の監視衛星を増やしていかなかったのは失策だったな…ガンツ、テロン艦は見つかったのか?」
シュルツの問いに対し、彼の副官であるクルト・ガンツ少佐はオペレーター席を覗き込みながら口を開く。
「現在、第6惑星ゼダンの衛星のどれかに逃げ込んだところまでは判明しておりますが、アクティブデコイによる欺瞞が張られており、探知までには相当な時間がかかっております」
「司令、ゼダン宙域には現地哨戒用に揚陸艦が配備されております。陸戦部隊を差し向けて偵察し、状況把握を行ってはどうでしょうか?」
「確かに、先程からテロン艦隊の動きが読めないからな。出来れば捕虜も得たいところだが…」
シュルツはそう言いつつ、ただ静かにモニターに映る1隻の戦艦を見つめるのだった。
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「大和」ブリーフィングルーム
「救難信号?」
有賀の問いに対し、コンソールの各種通信システムを操作していた相原は頷いてから話し始める。
「はい、エンケラドゥスの南極付近より国連宇宙軍の共通コードによる救難信号が発せられています」
「偶然にしては余りにも出来過ぎてるな…もし俺の士官学校時代の恩師がこの場にいたら、『神は少し調子に乗っている』とぼやきそうだ」
現在、「大和」はコンデンサー修理に必要な希少鉱物コスモナイト90の鉱山があるエンケラドゥスに向かっているのだが、エンケラドゥスの南極付近、つまり今「天城」が身を潜ませている鉱山の近くから救難信号が発せられているというのだ。
既に先行して鉱山に到着している「天城」は、ガミラスの罠なのではないかという疑いを持って敢えて放置し、エンジン修理を優先しているのだが、全てのコンデンサーが無事であり、かつコスモナイト90以外の物資には余裕はある「大和」は、救難隊兼調査隊を送り込む事を決めていた。
「しかし救難信号か…提督、どうします?直接その場に赴きます?」
「いや、今の「天城」は無防備に等しい状態だ。それに本艦も一度地上に降りて、簡単なメンテナンスを実施した方が良い。輸送機で少数のメンバーを送り込んで、調査と救難活動を行った方が良いだろう」
沖田はそう言いつつ、有賀や古代達艦橋要員とともに、ミーティングルームに向かう。そしてエンケラドゥスでの活動班の編成が決められた。
まず、コスモナイト90の採掘班は、真田副長指揮の元、先の浮遊大陸でも活躍した榎本以下甲板部を中心に編成。続いて、友軍救難活動班は、森を筆頭にアナライザーと医療班を以て当たることとなり、その護衛任務には古代と優香、服部静香曹長の3人が当たることとなった。
この時、救難活動班の編成をめぐっては、少々悶着があった。有賀は護衛を付けるのであれば、武装した戦術科員なり保安部員なりを10名程同行させたほうが良いのではないかと具申したが、これは退けられた。
先にも述べたように今回の行動は敵に察知されることを警戒して、密かに行われるものであり、あまり大人数なのは好ましくない。であれば非常時に冷静な判断の下せる者が一人付いたほうが良いとのことだった。
沖田提督は古代戦術長をかなり高く買っているようだったが、今度は森が突っぱねる。
(…そう言えばこいつら揉めてたんだったな)
有賀は以前の司令部通路での2人の諍いを思い出す。
まさかあの時のことを引きずっているわけではないのだろうが、どうもこの2人は、あまり仲が良くないように有賀の目には見えた。
しかし、護衛なしで出て行くわけにもいかないし、第一森はコスモシーガルの操縦ができないため、これも最終的には却下され、古代に加えて2名のウィッチが付く事となった。
会議終了後、榎本が有賀に寄ってきて、面白げに囁いた。
「艦長、大丈夫ですかね。古代の奴に騎士役なんかやらせちゃって?」
「どうした、掌帆長」
年少とは言え、直属の上官に当たる古代のことを気安げに呼んだ榎本を訝しんだが、彼はニヤリと笑ってから言う。
「いえね、昔の士官学校時代にあいつの指導教官をやってたんですよ」
「ああ…」
訓練学校の学生にとって教官というのは、ヒヨコ時代にはビシビシを鍛え上げる恐ろしい存在である反面、身近な生活の面倒を見てくれる父や兄的な存在である。
かつてのリベリオン合衆国の海軍兵学校では、士官候補生の訓練指導教官は下士官が行うシステムがあり、教官はそれこそ候補生をシゴキまくり、それに耐えて卒業し士官になった相手に「少尉殿」と最敬礼で送り出す。そして国連宇宙軍では、このリベリオン式の教育システムが採用されていたのだ。
このシステムは旧扶桑軍では陸軍で行われていたが、海軍兵学校では建前上、生徒の時点で下士官と同等の待遇で、少尉候補生ともなると下士官よりも上になる。そのため海軍では『教官』と呼ばれるのは兵学校を卒業した先輩の尉官や佐官達のことを指し、それを補佐する下士官のことは『教員』と呼んでいた。
最も、20世紀中盤の扶桑軍改革時に教育システムの一部がリベリオン式に変えられたので、22世紀末にその経験をした事のある者は「大和」乗員にはいないのだが。
「成績はともかく、女の扱いがなってませんでしたからね」
「さすがに教えなかったか?」
「あれは、教えるもんじゃないでしょう」
「まぁ、そっちはそっちで大変だろうから、気をつけてな」
「大丈夫ですよ、やばくなったらさっさとずらかります」
「土産を忘れるな」
「勿論です」
そんなことを言い合い、有賀と榎本はお互いの持ち場に付くために別れる。そして有賀は、視線を合わせないように互いに『ふーん』という顔をしながら、艦橋に向かう古代と森の姿を見つめる。
何とも子どもっぽく、また微笑ましい姿である。こうして見ると、お姉さんぶっている森も大して変わらないように見える。
「案外、あの二人合うかもしれないな」
有賀は2人に聞こえない小声でそう呟きながら、彼らの後を追うのだった。
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エンケラドゥス軌道上
会議後、「大和」は先行して2機の100式空間偵察機を放ち、「天城」から周辺状況のデータを受け取りつつ、エンケラドゥスに近寄る。
「間もなくエンケラドゥスに降下します」
「何か、ひび割れた鏡餅みたいだなぁ」
艦橋のメインパネルに映し出されたエンケラドゥスを見て、太田がそんな感想を述べる。
土星の第二衛星であるエンケラドゥスは直径約500km程の小さな星だが、太陽系の各星のなかでは活発な地質活動をしている星である。
これは、土星やほかの衛星からの潮汐力と内部の放射性物質の崩壊によって起こるもので、南極付近に生じた無数の亀裂から、火山や間欠泉のように水蒸気が噴出されてそれが凍り、星の表面を覆うことで、常に新雪の如き白さを保っている。衛星そのものの白さと水蒸気の噴出によって生じている皹を太田が『ひび割れた鏡餅』と例えるのも無理からずである。
やがて、南半球を調査していた先行偵察機より報告が入る。航空偵察の結果、ここエンケラドゥスの地表には、先の浮遊大陸のような敵基地等の施設は認められず、また、救難信号の発信地点に未確認の宇宙船らしき物体が確認された。
「艦長、エンケラドゥスへ上陸する、艦を降下させよ」
「了解。通信、偵察隊に帰還命令を出せ。航海、両舷前進原速、南半球、コスモナイト採掘場へ向かえ」
コスモナイトに限らず宇宙に於ける採掘場は、よほど地形が悪くない限り、採掘から船までの輸送の手間暇を省くために、採掘場のすぐ傍に接岸桟橋があるのが常である。
接岸してしまえば再度飛び立つまで艦底から艦載機を飛ばすことができないので、エンケラドゥスの大気圏―――と言ってもほとんどないが―――に突入する前に先行偵察隊が帰投し、入れ替わりに周辺警戒隊が発進する。
エンケラドゥスに敵影無しとはいえ、油断はできない。土星は木星と並んで60を超える衛星を持つ大惑星であり、中でも第六衛星タイタンは、火星に次ぐテラフォーミングの候補地に挙がるほどに環境が整っており、敵が拠点を置くにはもってこいである。万一それらが存在した場合に早期対処するのが警戒隊の役割である。
警戒隊が発進して、艦がエンケラドゥス地表に近づくと、一面氷漬いた地面から時折火山のように水蒸気が吹き出しているのが見て取れた。
「おい航海、接岸指揮は貴様がやれ」
正面にコスモナイト採掘場のために人為的に作られた地割れを認めた際に、有賀は島にそう言う。
「進入角よし、両舷前進微速、赤15、下げ舵16」
「艦首やや下げ、接岸準備」
「準備よし」
島もギョッと肝を冷やしたのは最初だけで、いざやってみると、有賀が何も言わずとも、スムーズに接岸作業をやり遂げた。
「接岸完了」
「よし、ご苦労」
「各人、既定の通り行動を開始、所定の作業を開始せよ」
「はっ!!」
沖田提督の命令に、真田、森、古代の3人とアナライザーが復唱し、席を立つ。そしてそこに有賀が声をかける。
「おい三人とも、見ての通り外は極寒だ、風邪ひくなよ」
『一面の新雪の如く白い世界』と言うと聞こえはいいのだが、実際に見れば、寒冷と荒涼と不毛の氷と岩で固められた星であり、とても人が住めるようなシロモノではない。それを考慮して、有賀は古代と森にそう言った。
「アノ、艦長、私ハ?」
「貴様は風邪ひかんだろうが。まぁ、貴様は氷漬けにならないように気を付けて行ってこい」
フォローとは言いにくい事を言われ、アナライザーは何やらぶつくさ文句を言いながら、古代と森の後を付いて言った。
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「大和」第三艦橋背後の大型ハッチから降りた真田副長と榎本掌帆長率いる採掘班は、「天城」採掘班とともにレーザー削岩機を使用しつつ、手際よくコスモナイトを採掘していく。
幸運なことに、こちらは既に採掘済みの備蓄も相当量放置されていたため、かなり順調に進んでいる。
ガミラスはどうして、こんな宝の山に手を付けなかったのだろうか?普通に考えれば、これ幸いと喜び勇んで持って行きそうなものだが。或いはガミラスにとってコスモナイトはそれ程重要な資源ではないのかもしれない。もしもガミラスの使用している宇宙機関が「大和」や「天城」の次元波動エンジンと全く異なる物であるのならば、それもあり得るが、この時点では推測に過ぎない。
敵の事情がどうあれ、地球側としては何のリスクもなくエンジン修理に必要な希少金属が得る事が出来るため、「大和」と「天城」の甲板部員は大急ぎでコスモナイト90の採掘と精錬済みの備蓄の積み込み作業を進めていく。
一方、97式空間輸送機〈コスモシーガル〉で救難信号発信地点に向かった森率いるメディック班からはまだ連絡がない。
コスモナイト90の採掘場と救難信号発信点はやや離れた位置にあり、シーガルで30分程かかる距離である。コスモナイト採掘が優先事項であるため、残念ながら艦を遭難船寄りに着けるわけにはいかなかったからである。
「古代達はそろそろか…」
操舵席に座る島が少しソワソワした様子で独り言を言っている。
時計を見ると、作業開始から既に一時間半が経過している。粗方捜索を終えている頃のはずなので、そろそろ報告が来るだろう。
「遭難者が気になるか?」
「勿論そうですよ。船乗りたるもの、仲間を見捨てないことが誇りですからね」
航路会議の際に、航海日程の短縮を優先して、冥王星を避けるように具申していたにも関わらず、救難信号受信を知るや、島は日程の遅れを厭わなくなった。
今も作業の進み具合よりも、遭難者の安否の方を気にしている。人命救助に対する信念がよほど強いのだろう。
「父の口癖みたいなものなんです」
「…島大吾少将だったな、航海長の親父さんは」
「はい。戦死した時、父は中佐でしたが」
「いいんだよ少将で。そうかぁ…」
島の父、島大吾少将(戦死後、二階級特進)は、8年前に太陽系に侵入してきたガミラス艦隊と初めての接触を試み、無念にも撃沈され、ガミラス戦役における戦没第一号となった巡洋艦「村雨」の艦長だった人物だ。
口髭の似合うその人物は、旧扶桑海軍で言う木村昌福のような人物で、指揮官として与えられた任務を全うしながら、部下を思いやり、戦争と言えども無駄な犠牲を避ける、人命と友好を第一とした温和な人格者として知られていた。
そんな人物が、初めての異星人との接触を担当し、地球人類の存亡をかけた終末戦争の最初の犠牲者となってしまったとは何という皮肉であろうか。
「実際にこうして宇宙に出てみると、父の言っていたことがわかるような気がするんです」
漆黒の闇が無限に広がる宇宙にあって、人を支えるものは、仲間たちの信頼と絆。その信念は、こうして息子に受け継がれている。
それは島少将が父として教育を間違えなかった証であるし、同年代の船乗りである有賀にとっても嬉しいことであった。
「親父さんに恥じないようにしないとな」
「はい」
2人がそんな事を話している中、それを小耳に挟んでいた沖田は、神妙そうな表情を浮かべる。その様子を見た真田が、僅かながら目線を下に落としていたその時だった。
「艦長、レーダーに感。二時の方向、距離八千より複数の物体が接近してきます」
救難活動のために艦を離れている森に代わって、レーダー席に座っていた西条未来海軍軍曹から報告が発せられた。
「物体とは何だ、至急確認し―」
そのコンマ数秒後、有賀達の視界に閃光が閃いたと思うと、艦の至近に着弾による爆発が起こった。
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「大和」にガミラス軍が敵襲を仕掛けてくるその直前、古代の操縦する〈シーガル〉と2人のウィッチは、救難信号を発していた宇宙船の近くに辿り着いた。
『古代戦術長!多分あれです、ビーコンの出力が最も強くなっています!』
護衛役の服部静香曹長が雪原の一点を指さし、古代は目視で『それ』を確認し、機体を『それ』の近くに垂直着陸させる。そして降りた古代と森、原田にアナライザーは、徒歩で近付いた。
それは、1隻の磯風型宇宙駆逐艦だった。不時着したのか、艦底部はエンケラドゥスの大地を成す氷とこすれ、艦尾の下部垂直尾翼はへし折れている。エンジン付近には幾つもの焦げのある穴が生じており、ビーム兵器の被弾で航行不能になって不時着した事を伺わせた。
「この艦が信号を発していたのか…」
「艦名は…駄目だ、凍ってて読めません。ハルナンバーも同様です」
服部とともに護衛につく優香が古代にそう報告し、古代達は服部と優香を外で待機させ、3人と1機で艦内に向かう。
原田が見つけた、既に開いているハッチから入ると、艦内は損傷が目立っており、通路天井は天井版が外れて回線が垂れ下がり、照明も全て死んでいる。
通路に座り込んでいる船外着姿の乗組員が1人見つかったものの、既にこと切れており、古代達は揃って沈痛な表情を浮かべる。
そして艦橋に辿り着き、古代達は艦橋内にある計器を見る。そして通信長席の場所だけ幾つかの計器に光が灯っているのを見つける。
「通信長席のシステムがずっと救難信号を発していたのか…」
「どうにかレコーダーからログを洗い出せればいいのだけれど…」
2人はそう言いつつ、計器のチェックと解析を進める。直後、インカムに優香の絶叫が飛んできた。
『戦術長、敵襲です!』
直後、激震が艦橋を揺らし、古代は大急ぎで窓の外を見る。すると2人のウィッチが守っていた〈シーガル〉が爆発炎上しており、直後に赤い光線が幾つも飛んで来る。
その光線が飛んできた方角に双眼鏡を向けると、そこには数両の白色の塗装が施された戦車と、黒字に赤い模様を纏っている戦車型ネウロイがおり、空中にはトランジスタの部品をも思わせる形状をしたネウロイが浮かんでいた。
服部と優香は大急ぎで上昇し、ネウロイに向けてレーザー機銃を撃つ。基本的にウィッチの武装は歩兵の携行可能な火器の範囲内であり、装備事態に魔力を付与してネウロイに有効的なダメージを与えられる様にする能力があるが、それが通用するのはネウロイ相手のみであり、通常兵器に対しては通常の装甲車両・航空機で対応した方が手っ取り早い。
現在対空装備しか有していないウィッチ2人だけでは1個戦車小隊相当の戦力を撃破するのは厳しい。そのため古代は大急ぎで救援を求める事にした。
「ガミラスとネウロイだ!森君、通信機はまだ生きている、平文でいいから「大和」に救援要請だ!」
「は、はい!」
「あの、どうしたんですか?」
森は直ぐに通信長席に座り、未だに状況が呑み込めていない原田は頭に疑問符を浮かべながら問い掛ける。直後、艦体にビームが直撃し、その時の衝撃で原田は艦橋外の通路に落ち、機密扉も閉じてしまう。
『と、閉じ込められちゃいました~』
「アナライザー、扉が開かない。そちらでどうにか開けられないか?」
『試シテミマス』
突然のアクシデントに多少混乱気味になるものの、古代は97式光学式拳銃を片手に警戒を行う。その最中、森は通信機とヘルメットのインカムを同調させ、「大和」と通信を繋げる。
「こちらメディック、平文で送信中。現在ガミラスから攻撃を受けています。〈シーガル〉は大破しましたが、全員無事です」
森が平文でそう送った直後、通信機と同調させているヘルメットのインカムから、相原の声が飛び込んできた。
『こちら「大和」、現在本艦も敵襲を受けつつあり!現在航空隊を救援として準備中なり』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「大和」艦橋
「敵の映像を捉えました、パネルに投影します」
西条が外部カメラを操作して、天井のメインパネルに敵の姿が映し出される。
二重に渡る航空隊の警戒の目にもふれずにどこに潜んでいたのか、三連装砲塔を装備した4両のガミラス軍戦車と、歩兵を乗せていると思しき2両の装甲車が、同数の車両型ネウロイやゴブレットの通称で知られる対歩兵掃討型ネウロイとともに「大和」及び作業班に向けて突撃せんとしていた。
「畜生、何見てたんだよ、航空隊の連中は!?」
「これより本艦は敵機甲部隊の迎撃に当たる。資源採掘班は現時点を以て作業を一時中断、艦へと退避せよ」
敵襲に対して南部がぼやく中、沖田は命令を下し、こちらが応戦体勢を整えている間も敵弾は次々と飛来する。
距離が近く、こちらは図体がでかい上に動けないため、早々と右舷に何発か被弾するが、敵戦車の砲口径は99mmと駆逐艦の主砲よりも小さく、戦艦である「大和」の装甲の前には豆鉄砲同然で、損害は軽微である。敵とて、こんな貧弱な火力で今の地球艦隊を攻略できるとはよもや思っていないだろうが、作業中のこちらの隙を見て、一矢報いんと攻めてきたのだろうか。
敵からすれば、軽武装で艦外に出ている作業班の者達は好餌であるし、こちらとしても戦車一両でも作業班の中に飛び込んで、砲弾を撃ちまくられれば、人的・物的損害は計り知れないものがある。
「下部右舷パルスレーザー砲、迎撃開始。採掘班撤退を援護せよ」
「航空隊はスクランブル待機。土星衛星宙域哨戒中の警戒隊を至急呼び戻し、敵地上部隊掃討に当たらせろ」
有賀と沖田がそう指示を飛ばす中、相原のレシーバーに森の声が飛び込んできた。
『こちらメディック、現在ガミラスから攻撃を受けています。至急救援願います。〈シーガル〉が大破しましたが、全員無事です』
森の報告に、沖田と有賀は揃って顔をしかめる。
「まずいな…〈シーガル〉が破壊された以上、メディックの連中はウィッチに抱えてもらわんといけなくなるが、恐らくそちらにもネウロイがいる。航空隊の出撃準備は?」
有賀が古代に代わって戦術長席に座る北野にそう尋ねると、北野は双眼鏡で周囲を確認しながら答える。
「艦長、もっと高度を取らないと、艦底から航空隊を出すことができません。ウィッチも、敵ネウロイとの交戦で手一杯な状況です」
「機関停止中のため、主砲、副砲とも使用不能。ですが、三式弾なら使えますし、主砲ならば十分に届きます。ここから遠距離砲撃してはどうでしょう?」
「大和」のメインエンジンを囲む様に設置されている第二格納庫には、予備機を含めて36機の艦載機型〈コスモファルコン〉が収められている。しかしこちらは基本的に宇宙空間ないし高空での展開を想定した設計となっているため、地表すれすれの場所で展開するのは無理に等しかった。
それを考慮して、南部が有賀に艦砲による支援をする様にと意見具申をするが、有賀は即座に首を振る。
「ダメだ、敵とメディックの距離が近すぎる。下手するとメディックの連中まで吹っ飛ばすことになるぞ。採掘班の撤退状況は?」
有賀の問いに対し、西条は球形レーダースコープの両側に展開したモニターディスプレイを見つつ答える。
「敵に足止めされて遅れています」
三次元的な戦闘となる宇宙空間に対応するべく、宇宙艦は艦底部にも武装を施している。それは「大和」も同様で、遠距離砲戦用の46サンチ三連装砲1基に加え、8基の7.6サンチ三連装パルスレーザー砲、12基の下部ミサイルVLSを装備し、全方位に対する迎撃態勢を整えている。
しかし「大和」は、艦底に波動防壁管制や艦体下部に回り込んだ敵艦に対する迎撃管制を担う第三艦橋がある関係で、着陸していても管制制御によってやや浮いている状態で、速射砲の下仰角はさらに狭い。そのため、機銃による撤退支援も中々うまくいっていないのである。
「応急長、何とかケツだけでも持ち上げられんか?」
メインエンジンが停止しているのならば、補助エンジンで何とかならないかと思ったが、現場で修理作業の指揮をしている徳川の代わりに艦橋に上がっていた山崎奨応急長は首を振った。
「出力が足りません。それに今エンジンを噴射すると、採掘班を巻き込む恐れがあります」
「はい。また今の状態で艦尾を上げても、まだ高度が足りません」
新見からもダメ押しを食らい、有賀は双眼鏡で外部を見ながら、相原に尋ねる。
「警戒隊はまだか?」
「急行していますが、到着まで最短でもあと15分。ウィッチも、「天城」所属部隊を含め、敵ネウロイとの戦闘で救援に向かう事が出来ません」
メディックや採掘班の装備を考えると、警戒隊が到着した時にはもう手遅れになっているかもしれない。その状況にやきもきしていたその時、沖田が声をかけてきた。
「艦長、第一格納庫の〈コスモゼロ〉を使おう、一刻を争う」
その言葉に、有賀ははっとした表情を浮かべ、即座に艦内電話を取り上げる。
「艦橋より第二格納庫」
有賀が連絡を入れると、ほとんど有賀の言葉を遮る勢いで、加藤の声が響いた。
『艦長、上にある〈ゼロ〉を拝借しますよ』
「おう構わん、使え使え、人選はそっちで決めろ」
命令伝達はものの5秒で終わった。「大和」のメインエンジン上部にある第一格納庫に4機搭載されている〈コスモゼロ〉は、本来は戦術長として航空隊を指揮する古代用の機体で、後の3機は乗機をよく壊す事で知られる古代のために用意しているともいうべき予備機だが、この際そんなことは言っていられない。
加藤以下、航空隊一同も先行偵察で自分達がミスをしたと思いつめていたのだろう。有賀が連絡を入れなければ、そのまま無断で出ていきそうな勢いであった。
「おい通信、採掘班とメディックにもう少し辛抱するように伝えろ、機関部は修理作業急げ」
有賀がそう指示を出した直後、1機の〈コスモゼロ〉が、艦尾の旋回式カタパルトから発艦し、エンケラドゥスの空に舞った。その〈コスモゼロ〉は断崖の真上を駆け、そして機首を下に向けて、並行に滑りながら敵戦車を狙い撃った。
〈コスモゼロ〉の機首に装備されている37ミリ陽電子速射砲が火を噴き、真上から貫かれた敵戦車は爆発。三連装砲塔が宙に舞い上がる中、〈コスモゼロ〉は2両目を叩き潰した。
遅れて加藤に2名の航空隊員が乗る〈コスモゼロ〉が発艦し、敵機甲部隊を次々と仕留めていく。するとそこに数隻の小型艦が現れ、航空隊に向けてビームを撃ってきた。
「あれは…敵の揚陸艦か?」
「敵艦、こちらのレーダーに対する反応がかなり小さい。恐らくステルス機能を有している模様」
「成程、敵戦車の親分か…航空隊はそれらを撃破しつつ、メディックのいる地点に向かえ!」
西条からの報告を聞きつつ、有賀は航空隊に指示を出す。それに応じて4機の〈コスモゼロ〉のうち1機がその場から離れていき、残る3機は敵揚陸艦に向かって襲い掛かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
航空隊が敵機甲部隊と交戦していたその頃、駆逐艦の艦内では、アナライザーが指先に搭載したプラズマレーザーバーナーで機密扉を切っていた。
やがて扉の板をくり抜く様に焼き斬られ、扉は音を立てて倒れる。
「やった!」
「全く、本当にこの時に何を―」
古代が原田の不注意に渋い表情を浮かべていたその時、背後から悲鳴が聞こえてくる。その声を聞いて振り向くと、「大和」と交信していた筈の森が、何処からともなく現れた2人の宇宙服姿の男達に捕まっていたのだ。
『クマック・カン・サルバー』
『ザー・ベルク』
「くっ、ガミラスか!?」
古代は咄嗟にコスモガンを向けるが、一歩早く敵兵がマシンガンらしき火器を向けて発砲し、古代の手からコスモガンが弾かれる。古代は思わずしりもちを突くも、敵の火線から逃れるために原田やアナライザーとともに影に壁の裏に隠れ、敵の様子を伺う。
と、その時、床に1丁のコスモガンが落ちているのを見つけ、古代はすかさずそれを拾い、敵兵が覗き込んできたところを狙い、引き金を引いた。
レーザーの銃弾は敵兵の頭部を穿ち、敵兵は操り糸の切れた人形の様に階段を転げ落ちる。すかさず古代は艦橋から窓の外へ駆け、背部バックパックを吹かして跳躍する。
敵兵は気絶させたと思しき森を肩に抱えて、戦車の方へ向かっており、追い付かれそうになっていると気付いたのか、腰のホルスターから拳銃を抜いて応射してきた。
「くそっ、何とか森君に当てずに倒さなければ…」
古代がそう呟きながら標準を定めようとしていたその時、突如、地面が揺れ始め、敵兵も突然の地揺れに動揺する。
すると、敵兵の背後の地表がひび割れ、そこから勢いよく冷水が間欠泉の様に噴き出してきた。
そしてその時の衝撃で目が覚めたのか、森は敵兵の肩を叩いて離れる。その隙を見逃さず、古代は敵兵を撃ち倒す。味方が倒されたのを見たのか、敵戦車にネウロイは古代達の方へ向かい始める。
が、その時、上空に1機の〈コスモゼロ〉が現れ、低重力環境を使って機首を真下に向けながら水兵に滑る。そして敵戦車の上部を撃ち抜き、ほぼ同時に服部と優香は戦車型ネウロイの核を撃ち抜いた。
「大丈夫か、森君!」
「こ、古代君…ええ、私は無事よ」
古代は森の下に駆け寄り、森の片手を取って立たせる。そして原田達と合流するために駆逐艦の方へ歩いていく。
「古代さーん、森さーん、大丈夫ですかー?」
原田がインカムで呼び掛けてくるのに対し、2人は片手を振って応じる。
「私達は大丈夫よ、原田さん」
「ああ、自分のコスモガンを落とした時には焦ったけど、コイツのお陰で助かった―」
古代はそう言いながらコスモガンのグリップを見て、そして固まる。突然足を止めた彼に、森と原田は首を傾げる。と、古代は突然駆け出し、そして駆逐艦の船体の側面に張り付いている氷を撃って砕き始めた。
「え、古代さん?一体なにを―」
上官の突然の行動に、服部は戸惑う。が、氷を割って出てきた艦名を見て、声が途切れた。そして、代わりに優香が震える声で口を開く。
「…「ゆきかぜ」…確か、戦術長の―」
「…ああ、兄さんの艦だ…そして…」
古代はそう呟きながら、コスモガンに改めて目を落とす。
そのコスモガンのグリップには、『古代守』の名が刻まれていた。と、古代は不意に立ち、艦内に入る。そして艦橋に上がって航海記録を納めているレコーダーと回線を繋ぐ。直後、自身の見知った声がインカムから流れてきた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
西暦2199年1月17日 冥王星宙域 「雪風」艦橋
「味方の残存艦は?」
「はっ…本艦を含め、旗艦「霧島」以下14隻のみであります」
8割以上の艦艇が撃沈・撃破されたという事実に、守は顔を歪ませる。外の方を見れば、有賀中佐の駆る「鳥海」が機動力を活かした乱入戦で敵の懐に入り込み、空間魚雷を放って敵巡洋艦を撃破したが、彼我戦力は10倍も離れており、焼け石に水も当然だった。
すると、レーダー士が絶叫を上げる。
「艦長、敵駆逐艦が「霧島」に急速接近中!」
「っ、急げ!艦首魚雷発射準備!」
「雪風」は全速で「霧島」の下へ駆け寄り、照準を定める。敵の首を狙いに来た2隻の敵駆逐艦は「霧島」に向けて8発のミサイルを発射し、「霧島」は数門しか装備されていないパルスレーザー砲を撃って迎撃する。どうにか2発を撃ち落としたものの、残りは全て「霧島」に向かう。
その6発が当たろうとしたその時、「霧島」を1隻の影が隠した。
「「ロバーツ」が!」
「…っ!」
リベリオン宇宙軍所属の宇宙駆逐艦「サミュエル・B・ロバーツ」が「霧島」へのミサイル直撃コース上に割り込み、同時に全ての空間魚雷と対艦ミサイルを発射。上下のフェーザー砲で3発は撃破したものの、残り3発を艦体で受け止めて轟沈。されど寸前に放った11発の実弾兵器が敵駆逐艦を返り討ちにし、残る1隻が再度攻撃を仕掛けようと動く。しかし「サミュエル・B・ロバーツ」の決死の行動は「雪風」が相手の後背を突くだけの余裕を稼ぐ事が出来た。
「艦首魚雷一番、撃て!」
「雪風」艦首から新型空間魚雷が1発放たれ、推進機関の改良でステルス性能と射程距離を改良された一撃は見事に敵を宇宙の藻屑へと変えた。
どうにか旗艦が討たれる危機を脱した直後、通信長が守に報告を上げてきた。
「艦長、「きりしま」より入電です。『連合艦隊ハ現時刻ヲ以て作戦終了トシ、コレヨリ撤退ス。全艦我ニ続ケ』」
「霧島」より発光信号を交えて発せられた通信に、残存艦は思い思いに舵を切って応える。11隻の艦艇が舵を切って、地球への帰路に就く中、「雪風」のみ進路を真正面に向け、そのまま敵艦隊へと向かって行く。
直後、艦橋上部のモニターに、沖田の顔が映し出される。
『古代、ワシに続け!』
「沖田さん、僕は嫌です。逃げません。ここで撤退したら、この戦いで死んで行った者達に顔向けが出来ません」
『いや、確かに多くの犠牲を払ったが、作戦は成功したのだ。ここは退く。明日のために今日の屈辱に耐えるのだ。それが軍人だ』
沖田の言葉に、一同に動揺が広がる。守も驚きの表情を浮かべるが、直ぐに表情を戻して、沖田に向けて言い始める。
「…どの様な作戦かは問いはしません。ですが沖田さん、男なら戦って、ひたすらに戦い抜いて、一つでも多く敵を倒して、死ぬべきではないのですか?そしてそのために、自分達はここにいるのではないのですか?」
『我々は死ぬために戦っているのではない、生きるために戦っているのだ。かつての世界大戦での大日本国軍の様に、戦場に巣食う死に魅入られるな。生きてさえいれば、人類にはまだ希望はある』
「…だから「雪風」は戦線に留まり、味方残存艦の撤退を援護します。この中で最も損傷の軽微な艦は本艦であり、弾薬も燃料も十分にあります。ここで全滅してしまっては、それこそかの世界大戦にて人類の敵となった国々と同様の末路を辿る事となります…沖田さん、あなたはまだこの場で死んではいけない人だ。地球の事をよろしく頼みます」
『古代!』
通信はそこで一方的に切られ、守は艦長帽を深く被りつつ、艦橋要員に対して口を開いた。
「…皆、どうか赦してくれ」
守の言葉に、乗組員達は揃って笑みを浮かべる。そして隣に立っていた副長が帽子を被り直しながら言った。
「さぁて、奴らの尻に一発、蹴りを入れに行くとしますか」
「よし…全砲門、ミサイル発射管開け」
守がそう指示を出した直後、不意に通信長が口ずさみ始めた。
「―『銀河水平、波間を超えて、目指す恒星ケンタウリ…』」
それは、宇宙軍や士官学校でも歌われていた『銀河航路』だった。「雪風」乗組員の歌声が流れ、同時に古代の目に、あの時この艦橋にいたであろう乗組員達の幻が浮かび上がる。
その歌声は再接続が行われた通信回線によって、「霧島」を始めとする地球艦艇にも流れ、中には涙を浮かべる者も出てくる。
「馬鹿野郎…死ぬなよ、古代」
単艦でガミラスの大軍に向けて突撃した「雪風」から流れてくる通信に、沖田は小声で呟く。通信は次第に出力が低下して途絶え、歌声も雑音へと変わって行く。
やがて轟音が聞こえたと同時にレコーダーに記録されていた全ての音声記録の再生が終わり、古代はただその場に立ち尽くす。
直後、真上を一つの黒い影が覆う。真上を見上げると、そこには、「大和」の艦底部が広がっていた。
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「大和」艦橋
「救難信号は、第一艦隊所属駆逐艦「雪風」のものと判明。同艦に生存者はありませんでした」
「…そうか」
「大和」の艦橋にて、有賀は森から報告を聞きつつ、真下に目を向ける。
そこには、エンケラドゥスに降る雪に包まれる「雪風」の残骸がある。森が敵兵に拉致されかけたという報告には多くが肝を冷やしたが、その後判明した難破船の正体は、メ号作戦で何があったのかを知る者達に複雑な感情を抱かせた。
「…文字通り、矢尽き刀折れるまで戦ったのだな。音声記録は後で聞こう。暫し休んでくるといい」
有賀は森にそう指示しつつ、戦術長席に目を見やる。そこには兄のコスモガンを収めたホルスターが掛けられており、有賀は小声で「因果か」と呟く。
現在古代は司令官室に赴いて、沖田に直接報告を行っている。恐らく沖田提督も有賀と同様の事を考えているのだろう。
「…地球を、「雪風」の様にしたくはないな。これは、改めて『お礼参り』に向かった方が良いだろうな」
有賀はそう言いつつ、いつの間にか隣に立っていた真田とともに、「雪風」に向けて敬礼を手向ける。
その「雪風」の艦橋内には、『「雪風」乗組員24名の命、ここに眠る』と彫られた鉄片が一つ、墓標の様に立てられていた。
後書き
次回、これ以上の遊星爆弾による被害を減らすべく、地球艦隊は独自に冥王星攻略作戦を開始する。それに対しシュルツは、現有戦力を使った迎撃作戦を開始した。
そして「大和」は、冥王星に向けて攻撃隊を飛ばすのだが、そこには幾重にも張り巡らされた罠が待ち構えていた。
地球滅亡まで、あと362日。
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