ヘタリア大帝国
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TURN46 王女アルビルダその六
「我が家は代々魔術師として様々なことをしてきて財産はあるので生活には困ってはいませんが」
「兄貴がニートか」
「その通りです」
「で、その兄貴何処だよ」
「お会いになられますか?」
「その為に来たからな」
イギリスは少女にこう答えた。
「そのゴローンさんとかいう人にな」
「わかりました。では案内しますね」
「頼むな。ところであんたの名前だけれどな」
「私の名前はハルマといいます」
少女はここで名乗った。
「ハルマ=エウンドラです」
「ハルマさんっていうんだな」
「はい、ハルマとお呼び下さい」
その少女ハルマはイギリスに礼儀正しく述べる。
「以後お見知りおきを」
「こちらこそな。それじゃあな」
「jはい。案内致します」
こうしてイギリス達はハルマに案内されて宮殿の中に入った。そしてある部屋の扉の前に来るとその扉の向こうから野太い声が聞こえてきた。
「うおおおおおおおお!萌えだああああああーーーーーーーーーっ!」
「今の声の主がだよな」
「はい、兄です」
ハルマはイギリスの問いに淡々と答える。
「兄の声です」
「何か自分の世界に浸ってるみたいだな」
「パソコンでゲームをしているかアニメを観ているか」
「どっちにしてもヲタクなんだな」
「同人誌等も好きです」
誰がどう見てもそうだった。
「そうしたものに日々囲まれています」
「生活には困ってないからか」
「兄の趣味には口出ししないことにしています」
こうも言うハルマだった。
「別に誰かに迷惑をかけている訳でもないですから」
「ただ騒ぐだけか」
「それだけです」
そうだというのだ。
「特に害はないので」
「そうか。じゃあまずはな」
「兄にですね」
「部屋に入ってもいいよな」
「兄はそうしたことで怒ったりはしません」
そうした意味では寛容だというのだ。
「では今から」
「ああ、部屋を開けてくれるか」
「では」
ハルマが部屋の扉を開け三人はその中に入る。するとそこには天幕のベッドの上に胡坐をかいて座っている男がいた。
アラビア風の黒い軍服を思わせる端正な服に白い布を被っている。見れば筋肉質で大柄な身体をしている。腰にはバナナがある。
顔はいかつく目は細い。白い部分がやけに多いが中央だけが黒い長方形の目である。全体的骨ばった顔の輪郭だ。
その彼が何か雑誌を読んでいた。彼はイギリス達に気付いてハルマに問うた。
「何だ?お客さんか?」
「はい」
ハルマはその通りだと答える。
「お兄様にお会いしたいとか」
「俺に?それはまた珍しいな」
「お兄様が魔術師とお聞きして」
それで会いに来たというのだ。
「来られたのです」
「そうか。イギリスさんもいるな」
彼、ゴローン=アウンドラはまずは彼に気付いた。
「それにネルソンさんとクリオネさんか」
「俺達のことは知ってるんだな」
「有名人だからな」
それで知っているとだ。ゴローンはエイリスに答える。
「ネットでも色々話題になってるぜ」
「そうか。じゃあ話は早いな」
「戦局まずいんだろ」
「だからあんたに力を借りたいんだよ」
イギリスはゴローンに率直に述べた。
「あんたの魔術をな」
「また単刀直入だな」
「それだけ色々あるんだよ」
イギリスはその色々とは何かは言わなかった。
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