レーヴァティン
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第百七十八話 アルプスとドナウ川その三
「騎士団か王国か」
「どちらかの国をですね」
「攻めるか」
「そうされますか」
「この浮島の二大国のどちらかをな」
まさにというのだ。
「攻めるか」
「そうしますか」
「これからな、しかしな」
「問題はアルプスですね」
「ああ、どっちを攻めるにしてもな」
それが騎士団でも王国でもというのだ。
「あの山脈をどうするか」
「超えるかとうかですね」
「それが問題だよ」
「左様ですね」
「どっちを攻めるにしてもな」
「そうですね、まことに」
「けれどな」
それでもとだ、久志は笑ってこうも言った。
「俺達はもうドナウ川南岸を掌握していてな」
「東方のですね」
「それで強力な水軍も持ってるからな」
「アルプスを超えずとも」
「どっちの国も攻められるな」
「はい、それは可能です」
「王国は南岸も西岸も水軍を使って攻められる」
それが可能だというのだ、久志はもう頭の中に王国とその周辺の地図を出していてそうして順一に語っている。
「そして騎士団もな」
「黒湖から水軍をドナウ川に入れて」
「そこからな」
「騎士団領に攻め入ることが出来ますね」
「前にも話したけれど東方を先に掌握してな」
浮島東方をというのだ。
「そしてな」
「そのうえで、ですね」
「東から騎士団領土を攻める」
「その戦略もありますね」
「ああ」
実際にというのだ。
「どっちにしても浮島は統一するんだ」
「それならですね」
「東方を先に掌握してもな」
「いいですね」
「ああ、それもな」
「東方は平原地帯です」
夕子が言ってきた。
「それ故に広大な田園があり軍はです」
「騎兵だよな」
「はい、どの国も強力な騎兵を擁しています」
西の浮島東方の国々はというのだ。
「それが特徴です」
「騎兵か」
「左様です」
「武器はどうかだな」
「武器は銃はありますが」
しかしというのだ。
「我々の方が質も量もうえでして大砲も」
「同じなんだな」
「ですが術を使える者は多く」
そしてというのだ。
「乗馬しつつです」
「術を使うんだな」
「はい」
そうだというのだ。
「言うなら魔導騎士ですね」
「馬に乗って術を放つからか」
「それが出来る者が多いので」
「それが問題だな」
「そうかと」
夕子は久志に話した。
「東方から攻めるとなると」
「その場合はか」
「そうなります」
「そうか、しかしな」
「それでもですね」
「豊かな田畑と騎兵隊は魅力だな、軍事的にその騎兵隊はな」
魔導騎士を含めた彼等はというのだ。
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