ドリトル先生と牛女
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第六幕その九
「あったりするそうだよ」
「長く飼っていた猫の生まれ変わり?」
「それじゃあ」
「そうなの」
「僕はそうじゃないかって思っているよ」
先生としてはです。
「長く飼ってもらって馴染んでいるからね」
「だからだね」
「今度も猫に生まれ変わって」
「それでお家に来た」
「またそのお家で暮らす為に」
「そうじゃないかなってね、そう思うと」
先生は微笑んで言いました。
「面白いね」
「そうだよね」
「そうしたお話を聞くとね」
「生まれ変わりって本当にあるんだ」
「何かと面白いね」
「また次の一生を送るなんて」
「僕も仏教徒なら」
どうかとです、先生はさらに言いました。
「生まれ変わっているね」
「一度死んでも」
「それでもだね」
「生まれ変わって次の一生を送る」
「それが繰り返されるのね」
「人とは限らないけれどね」
次の一生はというのです。
「決して」
「他の生きものの可能性もあるね」
「僕達みたいな生きものの場合もあれば」
「妖怪の場合もある」
「そうなのね」
「六道があるね」
仏教にはです。
「そのうちの何処かになるよ」
「一度死んだら何処かに生まれ変わるね」
「その六つの世界のどれか」
「どれかに生まれ変わるんだなね」
「そうだよ、そしてね」
それにというのです。
「相当悪いことをしたら地獄に堕ちたりね」
「餓鬼になるのよね」
「仏教の考えだと」
「地獄に堕ちるのも嫌だけれど」
「餓鬼に生まれ変わるのもね」
「かなり嫌よね」
「うん、餓鬼にはね」
先生にしてもでした。
「生まれ変わりたくないね」
「そうだよね」
「餓鬼だけはね」
「凄く嫌だね」
「あれに生まれ変わることは」
「動物には生まれ変わったら嬉しいけれど」
あの漫画家さんが妖怪を愛していたのと同じだけ動物の皆を愛している先生はそう思っています、この辺り同じです。
「けれどね」
「餓鬼はね」
「地獄に堕ちるのも」
「どうしても嫌だね」
「絶対に」
「それは嫌だよ、というか」
それにというのです。
「僕は修羅界にも行きたくないね」
「ずっと戦うとかね」
「先生は絶対無理ね」
「先生と戦争ってね」
「無縁だから」
「僕は争いは嫌いだよ」
それこそ一番嫌いなものです。
「心からね」
「争いは何も生まない」
「先生いつも言ってるわね」
「争うのなら学ぶ」
「それが先生だね」
「そう考えているからね」
だからだというのです。
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