子猫から飼うと
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第一章
子猫から飼うと
中国の上海で真帆使いをしている李太平は使い魔として白地で右耳とその周りだけ丸く黒い雄猫を手に入れた、そうしていよいよ使い魔として育てようとすると。
師匠である王豊宝からこう言われた、李は黒髪をショートにし面長で大きめのきらきらした目の色白の青年で背は一七〇位の服装も含めて今時の中国の青年という外見であるが王は皺だらけの顔で白髪に黒の昔の中国の服に一六八程の背でやや曲がった背中に杖と香港の憲法映画の師匠の様な外見だ。二人共あまり魔法使いに見えないが王は特にだった。
その王が李に言うことはというと。
「待て、お主猫のことがわかっていないな」
「えっ、どういうことですか?」
「猫語は教えたな」
「はい」
「それでまず猫の声を聞くのだ」
「この子猫のですか」
李は王を見つつ応えた。
「そうしないと駄目ですか」
「まずはな」
「ああ、使い魔として使役するのならですね」
「違う、子猫だぞ」
王は李に厳しい声で答えた。
「ならわかるであろう」
「ええと、育てないと駄目ですか」
「そうじゃ、あと名前をつけよ」
「名前も必要ですか」
「当たり前だ、お主も名前があるな」
「はい」
李は王に即座に答えた。
「ちゃんと」
「わしもじゃ、そしてじゃ」
「猫にもですね」
「名前が必要じゃ」
そうなるというのだ。
「だからじゃ」
「こいつにはまずですか」
「名前をつけよ」
「わかりました、じゃあこいつ雄ですから」
それでというのだ。
「天祥にします」
「文天祥か」
「俺あの人好きなんで」
南宋最後の忠臣の一人とされる彼がというのだ。
「ですから」
「それでか」
「その名前にします、名字も文にします。字はにゃん助にします」
「ではそれにせい」
「はい、じゃあ天祥ってことで」
「名前はつけたな、では猫語を喋ってな」
そしてというのだ。
「こいつと話をしてな」
「そうしてですか」
「育てるのじゃ、いいな」
「わかりました、じゃあ今から」
李は王の言葉に頷いてだった。
そのうえで猫語で文天祥に言った。
「これから宜しくな」
「宜しくご主人」
「ああ、俺がお前の主でな」
「それでだよね」
「俺の言うことを聞いてもらうからな」
「それでお仕事もだよね」
「してもらうからな、あとお前にご飯やお水もな」
こちらのこともというのだ。
「あげるから安心しろよ」
「わかったよ、それでだけれどな」
「それで?」
「おいらまだ子猫だからな」
それでというのだ。
「まだ食いものは食えないぜ」
「そうなんだな」
「ああ、ミルクをスポイルでな」
文天祥は李の前に座ってそのうえで話した。
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