側溝の中から
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第二章
その手を入れる部分空気窓にもなっているそこから白い子猫と黒い子猫が見えた、猫達はそこから二人を見上げていた。
「ニャーーー」
「ニャーーー」
「どうしてここにいるのかしら」
「何処か入れる場所に入ったのかしら」
牧子は聡子に首を傾げさせながら答えた。
「それで入ったはいいけれど」
「出られなくなったのね」
「そうみたいね」
「あそこ見て」
聡子はふと目に入った場所、電柱の隅に右が黒左が白の猫を見た。側味噌の方を心配そうに見ている。
「多分母猫よ」
「そうよね、お母さんよね」
牧子もその猫を見て言う。
「こっちを心配そうに見ているし」
「お母さんだから何とかしたいのね」
「ええ、けれど」
「このままじゃどうしようもないから」
「何とかしないとね」
「何かするにしても」
聡子は考える顔になって述べた。
「まずは溝から出してあげないとね」
「そうね、この側の溝の覆い取ってね」
「出してあげましょう」
「それがいいわね」
二人でこう話してだった、溝の覆いを二人で外して道の端に置いた、すると子猫達はその場で小さくなって縮こまっていた。
生後一ヶ月程だ、その猫達をだった。
母猫は道の端からじっと見ている、聡子はその彼女も見て牧子に言った。
「後はこの子達を助けて」
「そうよね、ただね」
牧子も猫達を見て言った。
「この子達野良猫ね」
「首輪してないしね」
「それじゃあね」
「このままだと保健所に捕まったらね」
「よくないしね」
「それじゃあね」
「お母さんと一緒に保護しましょう」
こう聡子に言った。
「そうしましょう」
「それがいいわね、私達のアパートペット可能だし」
「聡子さん飼える余裕はね」
猫をというのだ。
「あるかしら」
「ええ、一匹か二匹なら」
「私もそれ位はね、獣医さんに診てもらうだけね」
「私もよ、お金かかる趣味もないし」
「私も。読書にお酒位で」
「私はゲームするけれど課金は絶対にしないから」
聡子は自分の趣味のことを話した。
「お金はね」
「あるわね」
「ええ、猫も一匹や二匹なら」
「構わないわね、私もだし」
「それじゃあこの子達は引き取って」
その子猫達を見て話した。
「育てればいいわね」
「そうね、ただね」
牧子はここで母猫今も自分の子供達を電柱の端から見ている彼女を見て聡子に話した。
「あの娘どうするか」
「それが問題よね」
「そうよね」
二人でそれぞれ子猫達を保護して抱き上げてから話した、聡子は白猫で牧子は黒猫だった。見れば白猫は雌で黒猫も同じだった。
「お母さんだけほったらかしにもいかないし」
「どうしようかしら」
二人でその母猫を見ながら話した、二人で考えたが。
ここで聡子は閃いて牧子に話した。
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