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レーヴァティン

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第百七十六話 雪溶けと共にその一

                第百七十六話  雪溶けと共に
 暦のうえではあと僅かで春だった、それでだった。
 英雄は仲間達と共に状況を確認していた。
「越前、飛騨、信濃のそれぞれ北にだな」
「既に軍勢を集め」
 謙二が応えた。
「兵糧や武具もです」
「集めているか」
「それが整いました」
「そうか、ではだな」
「後はです」
「俺が言えばだな」
「兵を進められます」
「北陸の雪もだな」
 英雄は今回問題だったこれのことも話した。
「そちらもだな」
「かなり減っているとのことです」
「ではだな」
「春になれば」
 それと共にというのだ。
「それと共にです」
「攻められるな」
「はい、そして北陸の国人達も」
 彼等もというのだ。
「かなりの数六割程がです」
「幕府に従ったな」
「彼等には既に伝えています」
 謙二はさらに話した。
「春と共にです」
「幕府に従わぬ者達を攻めよとだな」
「その様にです」
 まさにというのだ。
「伝えています」
「そうだな」
「ですから」
「春になれば早速戦か」
「そうなります」
「それは何よりだ、では明日にだ」
 英雄は謙二の話をここまで聞いて述べた。
「俺達もだ」
「それぞれの国境に移り」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「暦が春になればな」
「それと共にですね」
「越前、飛騨、信濃の三路から北陸に入り」
 そうしてというのだ。
「そこからだ」
「北陸を一気に」
「掌握する」
 その様にするというのだ。
「まさにな」
「それでは」
「明日に移動の術でそれぞれの場に移る」
「それで、でござるが」
 今度は智が言ってきた。
「加賀と越中の国人達はかなり降り越後の北もでござるが」
「能登と越後の他の部分だな」
「はい、どちらもかなりの勢力の大名がいて」
 そしてというのだ。
「彼等の本城もでござる」
「堅城だな」
「能登の七尾城も越後の春日山城も」
 そのどちらの城もというのだ。
「堅固な山城でござる」
「だからだな」
「攻めるにあたってはでござる」
「術や大砲そして空船だな」
「そうしたものを効果的に使わないとでござる」
「攻め落とせないな」
「そうかと」
 こう英雄に話した。
「どちらの城も」
「そうだな、ではな」
「これ等の城を攻める時は」
「実際にだ」 
 まさにとだ、英雄も述べた。 
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