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ドリトル先生と牛女

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第三幕その四

「鬼も多いわね」
「特に京都とかね」
「鬼のお話が多いわよ」
 チープサイドの家族はかつて自分達が言ったその場所のお話をしました。
「酒呑童子とかね」
「色々あるよね」
「鬼の話って確かに多いね」
 ホワイティもそうだと言います。
「日本にはね」
「何か西洋人みたいな姿で」
 こう言ったのはチーチーでした。
「金棒持ってるね」
「角生やして虎柄の腰巻き姿で」
 老馬も鬼の姿のお話をします。
「毛深くて身体が大きいね」
「童話にもよく出て来るし」
 ガブガブは日本の童話のお話を思い出して言います。
「日本の妖怪の代表だね」
「地獄にもいるし」
 ジップは日本のそちらを思い出しました。
「本当に鬼はあちこちに出るね」
「山にいるね、鬼は」
「そこから人里にも来るね」 
 オシツオサレツは鬼の棲み処を指摘しました。
「日本の妖怪は山にいる種類が多いけれど」
「鬼もそうだね」
「そう、鬼は日本の妖怪の代表の一つでね」
 先生もそうだと言います、今も一緒にいる動物の皆に。
「童話でもよく出て来て山にね」
「いるよね」
「それで西洋人みたいな姿でね」
「狂暴で強いね」
「人も襲うし」
「日本では強い、怖いというと鬼でね」
 それでというのです。
「その姿は実際に漂流してきた白人の人をモデルにしているという説もあるよ」
「実際にそうだよね」
「先生前にそのことをお話してくれたけれど」
「実際にだね」
「鬼は漂流した人かも知れないんだね」
「そうだよ、そして鬼のこともね」
 この妖怪のこともというのです。
「日本の民俗学の中にあるんだ」
「妖怪だからだね」
「それでよね」
「鬼も民俗学の中にあって」
「学問としても学べるんだね」
「そうなんだ、勿論天狗や河童もだよ」
 彼等もというのです。
「民俗学で学べるよ」
「それじゃあ牛女もだね」
 王子は先生が今度会うというその妖怪のお話をしました。
「そうなるよね」
「勿論だよ」
「やっぱりそうだね」
「僕は件の親戚だと思っているよ」
 牛女はそうだというのです。
「逆にしてもね」
「まあそうだろうね」
「牛から生まれたと思うし」
「それで予言するのかな」
「多分ね、ただね」
「ただ?」
「件は予言をしたら死ぬし」
 それにというのです。
「牛女もね」
「予言をしたらだね」
「死ぬんじゃないかな」
「そうなんだね」
「うん、そう考えているよ」
 実際にというのです。
「僕はね」
「そうなんだね」
「それが一度かどうかはわからないけれどね」
「そういえば戦争中日本の有料者の人のお家に匿われていましたね」
「順番みたいにね」
「じゃあ予言をしていたんですね」
「その力があると思われていただけかも知れないけれど」
 それでもというのです。 
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