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ドリトル先生と牛女

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第一幕その十一

「面白いんだ」
「そうなんですね」
「あと平仮名の日記もね」
「土佐日記ですね」
「このお話も面白いんだ」
 土佐日記もというのです。
「女の人ということにして書いているけれど」
「読んですぐにわかるんだよね」
 王子が笑って言ってきました。
「あの作品は」
「うん、もうそれこそね」
「丸わかりだね」
「これがね」
 実にというのです。
「面白い位にね」
「わかるんだね」
「だからね」
 それでというのです。
「日本語の歴史を学ぶことも」
「面白いんだね」
「そうなんだ」
「最初文字が幾つもあってね」
「困ったね」
「一つじゃないし漢字の読み方も」
 これもというのです。
「音読みと訓読みがあるから」
「日本のものと中国のものがね」
「だからね」 
 それでというのです。
「何かと苦戦したよ」106
「王子もだね」
「そうだったよ」
「僕もね」
「先生もなんだ」
「最初はね」
 先生にしてもというのです。
「戸惑ったよ」
「そうだよね」
「あれはね」
「他の国の人にしたらね」
「宇宙にある様な」
 そのレベルでというのです。
「物凄くね」
「変わった言葉だよね」
「だからね」 
 それでというのです。
「僕もね」
「戸惑ったよ」
「先生は語学が一番凄いけれど」
 それでもというのです。
「それでもだね」
「僕は語学は一番覚えやすいよ」
「その先生でも」
「どうも」
 日本語はというのです。
「苦戦したよ」
「そうだったんだね」
「覚えるのに一番苦労したものだよ」
「言語以外のことでもなんだ」
「うん」
 こう王子にお話します。
「そうだよ」
「そこまでなんだね」
「悪魔の言語とか言われるけれど」
「あまりもの難しさにね」
「その理由もわかったよ」
 すき焼きの中の麩を食べつつ言います。
「本当に」
「確かにね」
「難しいよね」
「うん、けれど日本にいるうちに」
「頭の中で考える言語にもなったね」
「そうなんだよね」
「そこにいるとね」
 そうすると、というのです。
「慣れて覚えていくものだよ」
「日本語でもだね」
「そして親しんでいくものだよ」
「そういうことだね」
「そうだよ」
「成程ね、じゃあね」
 王子は一杯飲んでから先生に言いました。
「今日もね」
「こうしてだね」
「飲んで食べて」
 そうしてというのです。
「楽しもうね」
「そうしようね」
 先生も笑顔で応えます、そうしてでした。
 皆ですき焼きに日本酒を楽しみました、神戸牛のすき焼き肉は絶品で先生も他の皆も堪能することが出来ました。 
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