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新オズのつぎはぎ娘

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第十二幕その三

「ここに来られるだけで凄く幸せなことだよ」
「というか君もう魔法は使えなくてもいいんだね」
 かかしは魔女に尋ねました。
「そうなっても」
「ほっほっほ、悪さをする為の魔法よりも」
 魔女はかかしの問いに笑顔で答えました。
「ここでお菓子を食べてジュースを飲んでな」
「占いやトランプをしてだね」
「暮らしている方がな」 
 そちらの方がというのです。
「ずっとよいわ」
「そうなんだね」
「遥かにのう」
「何か君達の童話を読むと」
 樵はヘンゼルとグレーテルに言いました。
「怖いものがあるけれどね」
「それがね」
「完全に変わったんです」
「お父さんもお母さんも魔女の宝で生活が楽になって」
「魔女も懲らしめれて反省して」
「それは何よりだね」
「あと貴女あれだよね」
 腹ペコタイガーも魔女に言います。
「子供達を食べようとしていたね」
「滅相もない、魔女は実は子供は食わん」
 魔女はそのことは否定しました。
「精々召使としてこき使うだけじゃ」
「そうするつもりだったんだ」
「そうしたらオープンで焼かれて生姜のケーキにされてじゃ」
「そうだったんだ」
「そこから戻されてな」
「反省したんだね」
「魔法は悪いことに使ってはいかんと」
 その様にというのです。
「そう思ってな」
「それでなんだ」
「わしも反省してな」
「悪いことはしなくなって」
「今ではこの国で暮らしておる」
 幸せかつ平和にというのです。
「この様にな」
「それは何よりだよ」
 臆病ライオンもお話を聞いて言います。
「本当にね」
「うん、やっぱり皆が仲良くね」
 まさにとです、ヘンゼルは臆病ライオンに答えました。
「するのが最高だね」
「というか喧嘩ばかりしてもね」
「何にもならないね」
「その通りだよ」
 臆病ライオンはヘンゼルに答えました。
「本当に」
「いや、来てよかったよ」
「ドロシー王女達に同行してね」 
 ピーターは二つの頭で言いました。
「本当にね」
「ここまでの旅も面白かったし」
「お菓子の国まで来られて」
「本当によかったよ」
「ようこそ、お菓子の国へ」
 グレーテルが応えました。
「それじゃあね」
「僕もだね」
「ご馳走になっていいんだね」
「勿論よ、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと」
「私二つ頭のドラゴンさん見たのはじめてよ」
 ここでグレーテルはこのことを言いました。
「このこともオズの国ならではね」
「外の世界でも二つ頭の生きものはごく稀に出ますね」
 ジョージが言ってきました。
「蛇でも」
「鷲でもあるわね」
「それが国の紋章にもなったりしますね」
「ええ、そうね」
「けれどオズの国でも二つ頭の生きものは珍しいですか」
「そうね、ドラゴンでも」 
 グレーテルはジョージに答えました。 
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