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レーヴァティン

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第百七十四話 冬の嵐その五

「そっちぜよ」
「そもそもこの世界は貨幣が統一されていたな」
「そうなっちょったそうじゃな」
「そうだったな」
「しかしじゃ」 
 それがというのだ。
「世界の殆どが石になって海の中に沈んで」
「二つの浮島だけになってな」
「それで、ぜよ」
「この浮島は次第に昔の貨幣が出て来たな」 
 この浮島のそれがというのだ。
「そちらの方が馴染みがあるということでな」
「そうぜよ、だからのう」
「ここはだな」
「そうぜよ」
「貨幣の統一か」
「それを進めるべきとな」
 その様にとだ、当季は話した。
「わしは思っちょるきに」
「そうだな、その方がいいな」
「ではのう」
「その話をしていこう」
 西の浮島と、とだ。英雄は当季に応えた。そうしてその話をさらにしていった。そのうえでだった。
 英雄は貨幣の政も進めていくことにした、すぐに西の浮島に使者を送ることにした。そのことについてだった。
 奈央は英雄にこう言った。
「ローマにね」
「使者を送ることだな」
「ええ、今のあちらの首都だから」
「帝国と称しているそうだな」
「その首都、帝都にね」
 そこにというのだ。
「使者を送って」
「貨幣の話をすべきだな」
「それで貨幣を替えるのは」
「こちらだな」
「今使っている貨幣から」
 大判や小判、銀貨や銅銭からというのだ。
「徐々にね」
「貨幣を替えていくな」
「そうしていきましょう」
 こう英雄に話した。
「少しずつでも」
「それがいいな」
「この世界の元々の貨幣を使う」
「この浮島に昔からあり復活した貨幣よりもな」
「その方が後々いいわ」
「この世界を救い石になった世界を戻せば」
 その時はというのだ。
「その世界とも交流が出来る」
「そう考えたらね」
 まさにというのだ。
「貨幣はね」
「戻すべきだな」
「それがいいわ」
「そうだな、ではな」
「ローマにね」
「使者を送ってな」
「その話をしていきましょう」
 奈央は英雄に理詰めの感じで話した。
「これからは」
「それではな」
「その話を進めて、あと貨幣を造ることは」
「幕府がな」
「全て行うことよ」
 つまり貨幣鋳造権を掌握するというのだ。
「これは藩にさせては駄目よ」
「それがそのまま独立につながるからな」
「ええ、貨幣はそれだけ大事なものよ」
「貨幣を握ればな」
「それは政権を握るということよ」
「一つにな」
「だからね」
 それ故にというのだ。 
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