新オズのつぎはぎ娘
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第十一幕その五
「たらふく飲むといいよ」
「そう言う貴方は」
ジョージはその人を見上げてまた言いました。
「ジョン=ヘンリーさんですね」
「そうさ、わしがな」
「そうですよね」
「ははは、わしも有名人かな」
「アメリカで知らない子供はいないですよ」
それこそというのです。
「ポール=バニャンさんやジョニー=アップルシードさんも」
「そしてわしも」
「偉大なる労働者として」
「ははは、そうなのかい」
「そうです、貴方もここに来られているなんて」
本当にというのでした。
「信じられないです」
「この調子だと他にも来ているわね」
今まで踊っていたつぎはぎ娘が楽しそうに言いました。
「これは」
「そうかな」
「あたしの勘ではね」
「そして君の勘は当たる」
「だからね」
それでというのです。
「きっとね」
「他の人達もなんだ」
「来ているわよ」
「あれを見て」
ドロシーはお空を見上げました、するとです。
そこに飛行機が飛んでいます、ジョージはその飛行機を見上げて言いました。
「まさか」
「あれはリンドバーグさんの飛行機よ」
「あの人もオズの国におられて」
「それでね」
「今はお菓子の国にですか」
「来られているのね」
「そうなんですね」
ジョージはその飛行機を見て言いました、見ればその飛行機はドロシー達を歓迎する横断幕を後ろにたなびかせています。
「僕達を歓迎してくれて」
「そのうえでね」
「実はあの飛行機が私達が整備したんだよ」
「そうしたんだ」
二十世紀の初期のアメリカの男の人の服を着た人達でした、お一人は頭の禿げた人でもう一人の人は口髭を生やしています。
ジョージはその人達を見て言うのでした。
「貴方達はライト兄弟ですね」
「そうだよ」
「わし等がライト兄弟だよ」
「アメリカにいる時は飛行機を作った」
「そのライト兄弟だよ」
「そうですね、リンドバーグさんに続いてお二人にもお会い出来て」
もう信じられないというお顔で言うドロシーでした。
「夢みたいです」
「オズの国はお伽の国だから」
ここでドロシーが笑って言ってきました。
「だからね」
「こうしたこともですね」
「普通に起こるのよ」
「そうした国ということですね」
「そうなの」
その通りだというのです。
「お会いしたいと思えば」
「オズの国にいる人達なら」
「オズの神々が引き寄せてくれるのよ」
「そうなんですね」
「それもまたオズの国の不思議よ」
こうジョージに言うのでした。
「魔法や色々な人達や生きものだけでなくて」
「出会いもですね」
「そうなのよ」
「そして実はだよ」
白髪頭でスーツの上に白衣を着た男の人です、お顔は少し厳めしい感じですがそこには笑顔があります。
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