新オズのつぎはぎ娘
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第十幕その四
「それであたしもドイツの音楽を知ってるのよ」
「ジングシュピールもだね」
「この音楽も」
「それで知っていて」
「ドイツの踊りもそうで」
「それでなのね」
「今歌ったのよ」
実際にそうしたというのです。
「ソーセージはドイツのものだし」
「ソーセージはドイツってイメージあるね」
「確かに」
「色々な国で食べられているけれど」
「やっぱりソーセージっていうと」
「ドイツってなるわね」
「それでドイツ風にしたのよ、じゃあ皆どんどん食べてね」
そのソーセージをというのです。
「あたしはその食べる姿を見てるから」
「それで食べない人は栄養になるからね」
ジョージがそのつぎはぎ娘に応えました。
「面白いね」
「そうでしょ、食べられる人は美味しいものを食べて笑顔になるでしょ」
「そうなるよ」
「その笑顔があたし達の栄養になるのよ」
「心のだね」
「笑顔は心の糧よ」
つぎはぎ娘はこうも言いました。
「だからね」
「そういうことね」
「そうよ、だからどんどん食べてどんどん笑顔になってね」
「そうならせてもらうよ」
「是非ね」
こうしたお話をしながらでした。
ジョージ達はソーセージも他のものもお腹一杯食べました、その後で皆でさらに先に進みます。するとです。
皆は森の中に入りました、するとです。
真っ黒な毛の大きな熊が森の中を進む煉瓦の道の横にいました、見ればワインを飲んでチーズを食べて酔っぱらっています。
その熊が一行を見て言ってきました。
「ドロシー王女だね」
「ええ、そうよ」
ドロシーは熊に答えました。
「今お菓子の国に向かってるの」
「そうなんだね、わしは魯達っていうんだ」
「魯達さんっていうの」
「そうだよ、実は魯智深さんの弟子でね」
「あの豪傑の」
「この名前を貰ったんだ」
「そうだったのね」
ドロシーは魯達の言葉を聞いて頷きました。
「それで中国系の名前なのね」
「オズの国には梁山泊もあるしね」
「百八人の豪傑の人達がいるわね」
「魯智深さんもあそこにいるね」
「豪傑の一人だから」
「その魯智深さんがここに通った時に会って」
そしてというのです。
「弟子にしてもらったんだ」
「あの人の弟子ってことは」
ドロシーはこのことから言いました。
「貴方も棒が使えるの」
「錫杖だね」
「あれを使えるの」
「そうなんだ、元々この森の番人で」
これが魯達のお仕事だというのです。
「ずっとここにいたけれど」
「あの人とお会いして」
「それで棒術もね」
こちらの技もというのです。
「教えてもらってね」
「それを使うのね」
「そうだよ、ただ僕は魯智深さんには力も棒術も落ちるよ」
「あの人も本当に強いからね」
「関羽さんや孫悟空さんも強いけれど」
「あの人も強いわね」
「梁山泊の人でも一番強いかな」
こうも言う魯達でした。
「若しかして」
「史進さんや武松さん、あと関勝さんや秦明さんも強いから」
ジョージが言ってきました。
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