レーヴァティン
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第百七十三話 北陸攻めの前にその三
「いいな」
「わかり申した」
「では甲府城に戻り」
「あらためてですか」
「甲斐を治めてもらう」
幕府の下でというのだ。
「いいな」
「それでは」
湯上も応えた、こうしてだった。
甲斐は幕府の領地に入り英雄はそのまま政を続けさせた、ここで彼は駿河も完全に平定したと聞いた。それでだった。
英雄は甲斐まで共に来た仲間達に話した。
「これから兵どうするか」
「そのことをですね」
「話したい」
謙二にも話した。
「その様にな」
「それでは」
「全員集まるか」
「その場所は」
「甲府城と言いたいが」
英雄はあらためて言った。
「駿河を見ていたい」
「あの国を」
「一体どういった国かな」
「では」
「俺達が駿河に行き」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「駿府城で、ですか」
「集まってだ」
「そうしてですね」
「話したい」
「それでは」
謙二も頷いた、そうしてだった。
英雄達は駿河に移動の術で瞬時に移動しそうしてまずは駿府を見て回った、英雄はその街並みを見て言った。
「噂以上にだ」
「よい街でありますな」
「全くだ」
峰夫に対して言葉を返した。
「見てみるとな」
「非常に整い栄えていて」
「そして周りの田畑もな」
これもというのだ。
「非常にだ」
「いいでありますな」
「水田もいいが」
「茶畑も」
「蜜柑園もな」
これもというのだ。
「非常にだ」
「よいであります」
「駿河はかなり豊かな国というが」
「それがわかるでありますな」
「この駿府を見てもな」
「実際にやで」
耕平が言ってきた。
「駿河それに遠江はな」
「豊かか」
「そや、かなりのもんで」
それでというのだ。
「ここからさらにな」
「よい政をするとか」
「もっと豊かになって」
そうしてというのだ。
「幕府にとってかなりええ場所になるで」
「そうだな、ではな」
「駿河そして遠江もやな」
「確かに治めていく、だがそれは」
「三河それに尾張もな」
この二国もというのだ。
「相当にな」
「豊かか」
「そうやったわ、尾張にしてもな」
「かなり豊かだな」
「川が多いから治水が大変やが」
それでもというのだ。
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