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ドリトル先生と琵琶湖の鯰

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第九幕その九

「相手が妖怪でも普通に接している先生は立派だよ」
「本当にそれが出来ているから」
 最後にガブガブが先生に言います。
「先生は凄いよ」
「そう言ってくれると嬉しいよ」
 先生にしてもというのです。
「僕もこれからもって思うよ」
「そうだよね」
「先生にしてもそうだよね」
「そう思うからこそね」
「これからもだね」
「相手の心を見て」
 そうしてというのです。
「接していきたいよ」
「公平にね」
「先生その公平さが出来ているからね」
「そして先生も嘘を言わないから」
「立派よ」
「そう言ってくれて嬉しいよ、ただね」
 ここでこうも言った先生でした。
「琵琶湖には本当に河童がいたね」
「比叡山でお話が出ていたんだよね」
「琵琶湖で河童を見たって」
「そうしたら実際にだね」
「河童がいたんだね」
「うん、このことはね」
 本当にというのです。
「少し驚いたよ」
「本当にいたことが」
「そのこと自体が驚きなんだね」
「先生にとっては」
「うん、河童はいるとは思っていても」 
 それでもというのです。
「ここで会うとはね」
「これも縁だね」
「縁で会うものだけれど」
「それでだね」
「そのことが驚きだったんだ」
「うん、しかしその彼が助けてくれるなら」
 その河童がというのです。
「有り難いよ」
「それでビワコオオナマズを連れて来てくれるなら」
「それならだね」
「先生にとっても嬉しいことだし」
「水族館にとってもだね」
「そうだよ、しかしビワコオオナマズは」
 この生きものはといいますと。
「見付けることすら難しいね」
「鯰はそうだよね」
「水底にいてね」
「しかもや厚生だから」
「中々見付からないね」
「どうしても」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「今回は嬉しいよ」
「河童さん達の協力が得られてね」
「ビワコオオナマズが水族館に来てくれるなら」
「それならだね」
「望ましいことだね」
「本当にね、しかしね」
 今度はです、先生はこんなことを言いました。
「僕が思うにね」
「どうしたのかな」
「一体」
「何があったのかな」
「いや、お礼は胡瓜でいいということは」
 河童のこのことについて思うのでした。
「予想通りとはいえ面白いね」
「言い伝え通りだよね」
「そのことは」
「河童さんは本当に胡瓜が好きなんだ」
「それで胡瓜を食べるんだね」
「それでお礼もなんだね」
「うん、胡瓜は沢山用意してもらうから」
 是非にというのです。 
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