ドリトル先生と琵琶湖の鯰
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第九幕その五
「そこは気をつけているよ」
「賢明だと思うよ」
「やっぱりそれがいいよ」
「慎重でないとね」
「学問についても」
「そういうことだよ」
こう言ってです、先生は皆と一緒にご飯を食べます。そこで先生は皆に今度はこんなことを言いました。
「しかし鮎はいいね」
「うん、凄く美味しいね」
「先生も好きだよね」
「日本に来てからよく食べる様になってるね」
「そうだよね」
「うん、日本に来て」
そうしてというのです。
「それから食べる様になったけれど」
「鮎もね」
「そうでね」
「お気に入りのお魚の一つになったね」
「先生にしても」
「そうなったよ、それとね」
先生はさらに言いました。
「鮎に欠かせないものもあるね」
「そうそう、柚か酢橘」
「レモンでも代わりが出来るけれど」
「柚とか酢橘のお汁をかけるとね」
「さらに美味しくなるんだよね」
「だから今回は酢橘をかけているけれど」
その絞ったお汁をです。
「これがね」
「美味しいよね」
「僕達もそう思うよ」
「ただでさえ美味しい鮎がさらに美味しくなって」
「病みつきになる位だよ」
「これだけ美味しいお魚は」
本当にとです、先生はそうした口調でお話しました。
「そうそうないからね」
「うん、他にも美味しいお魚は沢山あっても」
「鮎はまた特別なところがあるよね」
「焼いた鮎の美味しいこと」
「確かにそうそうないね」
「この言葉は結構色々なお魚に言っている気がするけれど」
それでもというのです。
「鮎もそうだね」
「それを言うとそうだね」
「どんなお魚にも言えるね」
「こうしたことはね」
「本当にね」
「お魚でこう言うことも」
このこともというのです。
「僕の変わったことだね」
「イギリスでお魚あまり食べないからね」
「鮭とか鱒とか鱈位だね」
「鰻も食べるけれどね」
「どうしても魚介類は弱いよね」
「お料理全体が駄目とかずっと言われ続けているし」
「ロブスターや牡蠣を食べても」
それでもというのです。
「食材の種類もメニューもね」
「少ないよね」
「どうしても」
「そうだよね」
「だからね」
先生はさらに言いました。
「日本に来てだよ」
「それでだよね」
「お魚をよく食べる様になったし」
「その味にもね」
「色々楽しむ様になったね」
「うん、思えば」
こうも言うのでした。
「鰊のパイはね」
「あれは、だよね」
「イギリス料理の一つだけれど」
「鰊をただパイにしただけで」
「下ごしらえもしていなかったりするし」
「味はね」
「見栄えだって」
「日本であのお料理を出したら」
それこそというのです。
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