増えていく家族
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第二章
その彼等を裕子に見せつつ言うのだった。
「この通りです」
「いつも仲がいいのね」
「ウミがお母さんです」
「そうなってるのね」
「はい、それで」
甲斐はさらに話した。
「ウミの息子みたいなんで名前はソラにしました」
「海で空ね」
「そうしました」
「そうなのね」
「それで、です」
甲斐はさらに話した。
「俺もいつもです」
「お部屋の中でなのね」
「こいつ等と楽しく過ごしています」
「それは何よりね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「今度ソラの去勢に行ってきます」
そうするというのだ。
「ウミも不妊していますし」
「家族として一緒にいるなら」
「やっぱりそうしたこと忘れたら駄目ですよね」
「ええ、そのことはね」
その通りだとだ、裕子も頷いた。
「やっぱりね」
「ですから」
「そうするのね」
「後で俺もネットで三毛猫のこと調べたんですが」
雄のそれをだ。
「二千万とかで売れるとか」
「マニアにね」
「特に去勢していないと」
「ええ、凄い価値があるのよ」
裕子もまたこのことを話した。
「そうよ」
「そうらしいですが」
「そういうのにはなのね」
「俺は興味がないですから」
「いいのね」
「命は命ですから」
このことをここでも言った、それも微笑んで。
「ですから」
「それも一つの考えね」
「はい、ただウミは散歩に連れて行ってますが」
犬だからである。
「朝と夜に」
「雨でもそうしてるのよね」
「もう絶対に」
「そうよね」
「ウミも絶対に行きたがれりますし」
例え雨でもというのだ。
「犬用のレインコート着せて」
「本当にウミちゃん大事にしてくれているのね」
「それでソラもです」
彼もというのだ。
「そうしているつもりです」
「やっぱり大事にしてるのね」
「今は目も開いて部屋の中動き回ってます」
「元気になったのね」
「ミルクもどんどん飲みますし」
「それは何よりね」
「家猫にしてます」
外には出していないというのだ。
「猫は」
「猫ちゃんは家猫でもいいのよ」
「部屋の中が縄張りになりますね」
「だからね」
それでというのだ。
「それもいいのよ」
「ですから」
「そうしてるのね」
「はい」
甲斐は笑顔で答えた。
「そうしてます」
「いいわね、何か画像見てお話聞いてたら」
玲子はここで笑顔で言った。
「甲斐君のお部屋に行きたくなったわ」
「俺の部屋にですか」
「ウミちゃんとソラちゃんに会いたくなってね」
「それじゃあ」
「ええ、今度行っていいかしら」
「どうぞ」
甲斐も笑顔で答えてだった。
実際に裕子は甲斐の部屋に入った、すると。
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