ドリトル先生と琵琶湖の鯰
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第八幕その六
「歴史でもあるよ」
「陰陽道は皇室にも関わっていたからね」
「陰陽師の人達がね」
「安倍晴明さんもそうだし」
「それでだね」
「そう、そちらも学んでね」
そうしてというのです。
「わかっていないとね」
「駄目だよね」
「だからだね」
「先生はそうしたことも学んでいるね」
「そうだよ」
その通りだというのです。
「そのことはね」
「そうだよね」
「先生はあらゆる学問が好きだからね」
「偏見なく学んで」
「そしてそこから色々と考えているね」
「それでそうした学問から考えると」
どうかといいますと。
「この比叡山は京都にとって大事な場所なんだ」
「護るという意味で」
「それでもだね」
「物凄く大事な場所で」
「僕達は今そこにいるんだね」
「そうだよ、だから最澄さんはここに延暦寺を開いたし」
それにというのです。
「日吉大社にもその意味があると思うよ」
「神仏を置いて」
「そうして鬼が都に入ることを防ぐ」
「そうしていたんだね」
「そうなんだ、これは東京も同じでね」
今の日本の首都もというのです。
「北東、鬼門の方に日光東照宮があるね」
「ああ、あそこね」
「徳川家康さんの場所だね」
「あそこがあったね」
「あの場所に東照宮を置いて」
そうしてというのです。
「鬼門を護っているんだ」
「東京に鬼が入らない様にしている」
「そうしているのね」
「東京についてもそうなんだね」
「そうだよ、そして京都も東京も」
どちらもというのです。
「その中にも色々結界を置いているしね」
「そうそう、京都って凄いんだよね」
「もう街全体が結界みたいで」
「お寺や神社も一杯あるしね」
「風水や五行の考えを取り入れていて」
それでというのです。
「霊的な結界の塊なんだ」
「それが京都や東京で」
「凄い街なんだね」
「霊的に」
「僕は東京については詳しくないけれど」
それでもというのです。
「あの街は高層ビルや環状線、東京タワーまでがそうだって言われているね」
「へえ、全部結界なんだ」
「あの街を護る」
「そうだったんだ」
「そうしたことも言われているから」
だからだというのです。
「街全体が結界なんだよ」
「日光だけじゃじゃないんだね」
「そういえば東京って火事や地震多いよね」
「空襲も受けたし」
「何度も廃墟になってるね」
「その状況からいつも蘇っているから」
江戸という名前の頃からそうだったというのです。
「やっぱり霊的にも何かあるんだろうね」
「結界のお陰?」
「何があってもそうなってきたのは」
「そのせいかしら」
「僕はそうも考えているよ」
実際にとです、先生は皆にお話しながら日吉大社の中も見て回りました。この神社もかなり見事なものでした。
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