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新オズのつぎはぎ娘

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第七幕その四

「いいのよ」
「あたしのダンスはそれだけのものがあるのよ」
 つぎはぎ娘はここでまた言いました。
「政治を決める位のね」
「そうなんだね、ただね」
 ジョージはここでつぎはぎ娘に言いました。
「君のダンスはアレンジしないとね」
「出来ないわね」
「僕達にはね」
「あたしの身体だけが踊れる踊りね」
「飛び跳ね方もくるくる回ることも」
「あと身体の曲げ方も」
「どんな身体が柔らかい人でもね」
 それでもというのです。
「出来ないよ」
「身体の中に骨があって」
「そうだよ、筋肉もあるしね」
「人間の身体は硬いのね」
「どうしてもね、それにね」
 ジョージはさらに言いました。
「身体全体のその柔らかさが違いからね」
「ぬいぐるみの身体とね」
「何度回っても目が回らないし」
「本当にいい身体ね」
 つぎはぎ娘は自分から言いました。
「あたしの身体は。食べることも飲むことも寝ることも必要ないし」
「食べたりすることはそれはそれで楽しいよ」
「あんた達いつもそう言うわね」
「実際のことだからね」
「そうなのね」
「そういえばもうお昼ね」
 ご飯のお話が出たところでドロシーは言いました。
「じゃあお昼にしましょう」
「そうだね、じゃあメニューは何かな」
「そうね、サンドイッチに」
 まずはこちらを挙げるのでした。
「それとフライドポテトにチキンナゲットに」
「ピクニックみたいだね」
「意識してるわ、あとはジュースに果物ね」
「その組み合わせでいくんだね」
「ええ、じゃあ皆でお昼にしましょう」
 こうお話してでした、ドロシーは実際にそうしたメニューを出しました。そうして皆で楽しく食べはじめますが。
 そこにした、急に。
 二十メートル位の大きさの黒い鱗に翼のドラゴンが出てきました、ただこのドラゴンは他のドラゴンと違い。
 頭が二つあります、それぞれの長い首の先にとても短い二本の角を生やしたドラゴンの頭がありますが。
 そのドラゴンを見てつぎはぎ娘は言いました。
「あんた誰?」
「ドラゴンのピーターだよ」
「宜しくね」 
 ドラゴンはつぎはぎ娘に二つの頭で答えました。
「この近くの沼地に住んでいるんだ」
「今は日課のお散歩中だよ」
「それであんたはつぎはぎ娘さんだね」
「噂は聞いてるよ」
「あたしのことは知ってるのね」
 つぎはぎ娘はピーターの言葉を聞いてこう返しました。
「あんたも」
「あんたは有名人だしね」
「僕も名前は聞いてるよ」
「そして他の一緒の人達もね」
「皆知ってるよ」
「会ったのははじめてでもね」
「よく知ってるよ」
 こう言うのでした。
「そっちの五人の子供達もね」
「聞いてるよ」
「そうなんだね」
 ジョージはピーターの言葉を聞いて言いました。
「僕達のことも知ってるんだ」
「君達もオズの国で有名だからね」
「僕でも知ってるよ」
「僕はこの辺りから外にはあまり出ないけれど」
「お話は聞いてるよ」
「そうなんだ、僕達も有名なんだ」
 ジョージは意外といったお顔で言いました。 
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