ドリトル先生と琵琶湖の鯰
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第六幕その六
「もうね」
「その生きものの考えを聞いて」
「それでだね」
「来てもらう」
「それが一番だよね」
「そう、だから僕はそれが出来るから」
人間以外の生きものと会話が出来るからだというのです。
「そうしているんだ」
「いいことだよね」
「人間も無理矢理は嫌だし」
「若し琵琶湖の皆も水族館に行きたくないなら」
「行くべきじゃないね」
「だからね、事前に聞いて」
そしてというのです。
「来てもらっているけれど」
「その生きものもだね」
「そうしてもらうんだ」
「見付けてそして」
「どうしたいか聞くんだね」
「そうするつもりだよ、それとね」
さらに言うのでした。
「皆にその生きもののことを話すね」
「うん、さっきから気になっていたけれど」
「どんな生きものなのかな」
「一体」
「その生きものは」
「鯰だよ」
このお魚だというのです。
「その生きものは」
「あれっ、鯰って」
「鯰なんてね」
「日本の川や湖にもね」
「よくいない?」
「あのお魚は」
「特別な鯰なんだ」
その鯰はというのです。
「実は」
「へえ、そうなんだ」
「そんな鯰なんだ」
「日本にそうした鯰がいるの」
「それでその鯰に水族館に来て欲しいのね」
「そうなんだ、ビワコオオマナズといってね」
先生はその鯰の種類の名前も言いました。
「日本で一番大きな淡水魚なんだ」
「一番大きいんだ」
「そうなの」
「日本で一番大きくて」
「琵琶湖にしかいないのね」
「そうなんだ、全長一メートルになって」
大きさはそれ位でというのです。
「それでね」
「一メートルなんだ」
「世界的にはそんなに大きくないけれど」
「日本だと大きいね」
「お魚の中では」
「日本の淡水魚は川が短くて流れが急な為大きくないね」
そうした環境だからだというのです。
「これは山の生きものでもそうだね」
「あっ、狐も熊も鹿もね」
「実際に小さいね」
「そうね」
「考えてみれば」
「そうだよね」
「ニホンオオカミもそうだね」
先生は自分が見付けた生きものの名前も出しました。
「そうだね」
「他の種類の狼より小さいね」
「あの狼は狼の中でも独特の種類だっていうけれど」
「確かに小さいね」
「そうだね」
「木々が多くて下に色々なものがあって傾斜のある山にいるとね」
そうした場所で暮らしているならというのです。
「どうしてもね」
「身体は小さい方がいいんだ」
「そして流れが急な川の中にいても」
「身体は小さい方がいい」
「だから日本の生きものは小さいのね」
「そうだよ、日本の生きものは」
まさにというのです。
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