ドリトル先生と琵琶湖の鯰
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第六幕その二
「豊臣秀吉さんが亡くなった後にね」
「あっ、そういうことあったね」
「実際にね」
「七将だったね」
「その人達が命を狙ってきたね」
「そうだよ、加藤清正さんと福島正則さんに加藤嘉明さん、池田輝政さん、黒田長政さん、細川忠興さん、蜂須賀家政さんのね」
先生は七将の具体的な名前を挙げました。
「七人がね」
「石田三成さんを嫌っていて」
「それでだね」
「命を狙った」
「そうなったね」
「そしてそこまでの対立をね」
それをというのです。
「徳川家康さんに付け込まれて」
「七将の人達が徳川家康さんについて」
「そうしてだね」
「そのうえでだったね」
「関ケ原に至ったね」
「だからだよ」
それでというのです。
「石田三成さんの個性は天下にも影響を与えたんだ」
「嫌いな人は徹底的に嫌う」
「そうした人だね」
「むしろね」
「そんな人だね」
「そうだよ、いい人でも言葉が過ぎて空気が読めないと」
そうした人はというのです。
「嫌われることもあるんだ」
「難しいことだね」
「いい人でもそうした人だとね」
「嫌われるね」
「そうなるんだね」
「そうだよ、だからね」
それでというのです。
「石田三成さんは可哀想な人でもあったんだ」
「それでその人のお城がここにあったんだね」
「この佐和山に」
「そうだったんだ」
「このお城は」
「そうしたお城だったんだ」
「そうだよ、それとね」
先生はさらに言いました。
「石田三成さんは善政でも知られていたんだ」
「そういえばここに来てあの人の説明多いけれど」
「全部褒めてるね」
「どれだけいい人だったか」
「そう書いてあるね」
「本当に素晴らしい政治を敷いていたからね」
だからだというのです。
「人気があるんだ」
「井伊直弼さんも彦根では褒められていたけれど」
「彦根だけでね」
「もう周りは違うから」
「彦根以外だとね」
「けれど石田三成さんは素顔を知っている人からは好かれているね」
こう言うのでした。
「そうだね」
「確かにね」
「そんな人だね」
「言うまでもなくね」
「その実は」
「そこが違うよ、あとね」
先生はさらに言いました。
「石田三成さんは井伊直弼さんみたいに独善的でも法や決まりを拡大解釈しなかったからね」
「よかったんだね」
「そうしたこともなかったから」
「確かにずけずけ言ったけれど」
「井伊直弼さんとはそこが違ったから」
「よかったんだ」
「というかね」
「誤解されやすいのは困りものね」
チープサイドの家族がここでお話します。
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