新オズのつぎはぎ娘
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五幕その八
「ステーキを出すわよ」
「いいね、僕ステーキ大好きだしね」
「それじゃあね」
「あの、どうしてステーキを食べたくなったんですか?」
ジョージはドロシーにその理由を尋ねました。
「一体」
「ええ、最近食べていないと思って」
「それで、ですか」
「間違ってもバイソンを見てじゃないわよ」
ドロシーはこのことは断りました。
「そのことは安心してね」
「流石にそれはよくないですね」
「ええ、そこは違うから」
「それじゃあ」
「そういえばステーキは」
ここでナターシャも言いました。
「最近食べていないわ」
「そうよね、オズの国に来てから」
恵梨香はナターシャの言葉に頷きました。
「最近は食べてないわね」
「オズの国に来たら結構ステーキ食べるけれど」
カルロスもそういえばとなっています。
「最近ないね」
「そう思うと食べたくなったね」
神宝は自分の気持ちを素直に言いました。
「不意に」
「あの、そのステーキってね」
どうかというお顔で、です。バイソンは言ってきました。
「僕達じゃないよね」
「ビーフステーキでもね」
ドロシーはバイソンに答えました。
「貴方達じゃないわよ」
「バイソンじゃないんだね」
「同じ牛の仲間でも」
それでもというのです。
「牛とバイソンは違うから」
「それでなんだね」
「そこは安心してね」
「それじゃあね」
「それに今回はビーフステーキ以外も出すわよ」
ドロシーはこうも言いました。
「ポークもチキンもラムもね」
「羊もですか」
「ええ、マトンもね」
こちらのお肉もというのです。
「出すわよ」
「いいですね」
「何かマトンの匂いにも慣れました」
ここで恵梨香が言ってきました。
「最近は」
「そういえばあんたマトンの匂い最初苦手だったわね」
つぎはぎ娘が恵梨香に聞きました。
「そういえば」
「ええ、日本ではあまり羊を食べないから」
それでというのです。
「あまりね」
「マトンの匂いにもなのね」
「慣れていなかったの」
「そうなの、けれどね」
「今はなのね」
「慣れて普通に食べられるわ」
マトンもというのです。
「そうなったわ」
「それは何よりね」
「だからマトンのステーキもあるなら」
それならというのです。
「食べたいわ」
「そうなのね」
「そちらも出すから」
ドロシーは恵梨香ににこりと笑って答えました。
「楽しんでね」
「わかりました」
「そういえば僕達は別にね」
ここでまた言ったバイソンでした。
ページ上へ戻る