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レーヴァティン

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第百七十話 甲斐攻めその四

「やはりな」
「水稲の方がいいっちゃな」
「どうしてもな、だからな」
「広めていくっちゃな」
「甲斐でもな」
「では大規模な治水もっちゃな」
「当然行う、そうすればな」
 治水を確かに行えばというのだ。
「民も水害に悩まされなく」
「そのこともいいっちゃな」
「だからだ」
「治水は絶対にするっちゃな」
「そうする、それは尾張もだな」
 英雄はこの国の話もした。
「あの国は豊かだがな」
「川が多いっちゃからな」
「だから豊かな水田地帯を形成出来てだ」
「水運で商いも栄えてるっちゃ」
「だからこそだ」
 そうした国だからだというのだ。
「尚更だ」
「治水は行うっちゃな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「それを万全にしてだ」
「そのうえでっちゃな」
「さらにいい国にする」
「民は水害に悩まされず」
「そしてよりよい水田を置ける」
「そうした国にするっちゃな」
「銭も人も使ってな」
 そのうえでというのだ。
「そうしていく」
「そうっちゃな」
「麦も悪くなく」
 英雄は他の作物の話もした。
「芋は痩せた時でも多く採れる」
「そうそう、ジャガイモも薩摩芋もたい」
 芋はとだ、香織は里芋を食べつつ話した。
「まっこと痩せた時でもよく採れるとよ」
「だからいいな」
「そうたい、この浮島にはどちらのお芋もあるとよ」
「だからその分だ」
「民は食べられるもんがあってたい」
「飢えていないが」
 それでもというのだ。
「この国の農業の基本は米でな」
「米で年貢にもしているとよ」
「だからだ」
「尚更たいな」
「米それもだ」
「水田たいな」
「それを軸にする、しかも米は多く採れる」 
 英雄はこのことも話した。
「麦に比べるとな」
「もう収穫量が全然違うとよ」
「極論すれば麦が一とすれば米は十だ」
 そこまで違うというのだ。
「だからだ」
「米たいな」
「何といってもな、この浮島は全体的に米作に向いているしな」
「川ば多くて気候もたい」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「米を多く作っていく」
「そうするたいな」
「麦や芋よりもな」
「どうしてもそうしたものはおかずになるわね」 
 奈央も言ってきた。
「麦にしても」
「ほうとうもな」
「この味はやっぱり」
「飯のおかずだな」
「それになるたいな」
「主食というとな」
「私達にはね」
 どうにもというのだ。 
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