仮想空間の歌う少年
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2ーOverture (中編)
21時、5分前。秋葉原UDXにて。
僕、キリト、アスナの3人は、バイクを使いこの場所に来た。アスナはキリトのバイクに乗って。ちなみに詩乃も誘ったのだがバイトで長引いたみたいだった。残念。
何をするのかと言うと僕達はオーディナル・スケールのボスモンスターを倒すため…。噂だとSAOのボスモンスターが出ると聞いて僕は興味本位で来ていた。
「てか…人多いな。発表されてから30分経ってないのに。」
公式からボス戦があると発表されてから30分しか経ってないのにもう50人ほどの人数が秋葉原にいた。
…やっぱり人気だね。オーディナル・スケール…。
そう思っているとふいに聞き覚えのある声が聞こえた。
「おう、おせぇぞ。キリの字、スノー!」
「クライン…。」
そう言って現れたのはギルド『風林火山』のリーダー。クラインだった。その後ろには『風林火山』のメンバーもいる。僕がいつものハイテンションではないからだろう。クラインが心配そうに。
「スノー?どうした?元気ないじゃないか。なんかあったのか?」
「むー…。そりゃ元気出ないよ。だって…。」
「あはは…たぶんシノノンが来てないからだと思いますよ。」
そう言ってアスナが苦笑いしながらキリトの後ろから出てきた。
「お。アスナもいるのか。」
「はい。キリトくんが乗り気じゃなかったので引っ張ってきちゃいました。それにしてもナイスタイミングでした!」
「僕はめんどーだと思いつつ、なんかSAOのボスモンスターが出るみたいじゃん。それ目当てで来た。
…本当はこの中で音の死神の本領発揮…詩乃にかっこいいところ見せようと思ったのに。」
僕が俯いて拗ねながらそう言うとクラインはやれやれとポーズを取ると呆れながら。
「お前さん、本当にシノンがいないとやる気ないよな…。」
「うーん…まあね。」
「へえ。ならシノノンに言おうかな?『スノーがやる気を出さずに私たちに迷惑ばかりかけてました』って。」
そう言ってアスナは僕の肩を掴みながらにこやかに笑ってきたので。僕はガタガタと震え、ゆっくりと宣誓する。
「もうしわけございません。ぜんりょくでやらさせていただきます。せんこうのあすなさん。」
「分かればよろしい。」
「アスナ。あんまりスノーをいじめるなよ。」
「ようし!アスナにいい所魅せるぞ!」
キリトが僕に助け舟を出したり、クライン達が盛り上がっている中。
時刻が21時になろうとしていた。
「あ、みんなオーグマー起動しないと。」
「お、そうだな。」
「いけない。忘れてた。」
僕はみんなにそう言うと一足先にARの世界に入る魔法の言葉を放つ。
「オーディナル・スケール起動!」
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時刻が21時になる。するとAR空間…景色が一変する。ビルがまるで時計塔のように変わり。街全体が中世の西洋風の街並みに変わる。
「ほー。すごいねぇ…。」
相変わらず凄い技術だ。そう思いながら僕は前方を睨む。そこに現れたのは…。
「『カガチ・ザ・サムライロード』だね…。」
確かアインクラッド第10層のボスだっけ…。縦に人3人程の大きさの鎧武者がゆっくりとこちらに歩いてくる。僕はオーグマーに付属しているリモコン程の大きさのガチェットを手にする。するとARの中では大鎌へと姿が変わる。…良かったよ。このゲームの中にも大鎌があって。
キリトはボスモンスターを睨みながら。
「今の俺たちはソードスキルを使えない。だけど攻撃パターンが昔のままなら。」
「…攻略は可能、ってことだね。
ふー。…さてSAOのボスモンスターが出るって分かったし。僕は帰るねー!」
「…。」
「申し訳ございません。アスナ様。お願いします。詩乃に連絡だけは。ちゃんとやりますから。」
帰ろうとした直後、またも暗い笑顔で僕を睨みつけるアスナ。嫌だ。まだ僕は死にたくない。
「おい!来るぞ!」
そうキリトが叫ぶと『カガチ・ザ・サムライロード』はこちらに駆け出してきていた。
さらに…。
「みんながんばってるー?さあ、戦闘開始だよ!」
すると周りのみんなは大きく盛りあがっていた。
「お、ユナじゃん!」
「情報は正しかったんだ!」
そんな中僕はそれを見て、聞いて。はあ、とため息をついた。
「うげっ。ユナじゃん…。」
正直に言うと僕はこのタイミングでのユナが苦手だ。何故かと言うと僕はいつも歌いながら戦うので他の歌が入ると不協和音になるからだ。
しばらくするとユナの歌う声が空間に響き渡る。
「まあ、頑張りますかね!」
僕はユナの歌う声に合わせて大鎌を仮想空間の中の時のように大鎌をクルクルとバトンのように回すとカガチ・ザ・サムライロードに向かっていった。
「9人か…いいぞ。」
秋葉原UDXの2階。その少年は今、バトルに参加しているメンバー表を見る。隣ではカガチ・ザ・サムライロードの遠距離攻撃をくらい、遠距離攻撃のプレイヤー数人がゲームオーバーになっていた。
「…スノードロップ。」
その名前を見て、青年は忌々しそうに呟いていた。
後書き
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スノー「次回はオーディナル・スケールをお休みして…」
コラボを書きたいと思います。
コラボ先は!狼 アサさんの、もう1人の英雄からロアくんとアクちゃん!
ひょっとしたら次回もオーディナル・スケールにもなるかもしれませんが…。
次回もどちらになってもお楽しみください。
ではでは!
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