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ドリトル先生と琵琶湖の鯰

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第二幕その十

「自警団は自分達がしています、法律の下にはありません」
「そこが警察と違いますね」
「ですから法律のコントロールが効かず」
 そしてというのです。
「容易に暴走しマフィア化もします」
「実際にマフィアのルーツの一つでしたね、自警団は」
「ですから自警団よりもです」
「警察ですね」
「そちらの方がいいと考えています」
「そこには法律による秩序があるので」
「そういうことです」
 先生ははっきりとお話しました。
「警察はあるべきですし」
「法律もですね」
「確かに存在すべきです」
「水族館も動物園も法律の下にありますし」
「博物館法によって」
「はい、若しそれを否定するなら」
 動物園や水族館をです。
「その時はですね」
「法律を変えるべきです」
「世論として出して」
「そして国会に法案として出してもらって」
 政治家の人達にというのです。
「そのうえで、です」
「法律として成立させるべきですね」
「そうすべきであって」
「テロ等暴力に訴えてはですね」
「あってはならないです」 
 こうはっきりと言いました。
「まことに」
「左様ですね」
「それがあるべき姿でまことに自分が正しいことをしているから暴走してもいいというのなら」
「大きな間違いですね」
「もうその時点で」
 暴走をいいというその時点でというのです。
「間違っています」
「では」
「今回のことは僕はやるべきと考えています」
 勿論そこには暴走はありません、暴走は先生には全く無縁のことですし。
「琵琶湖に行きましょう」
「それでは」
 田中さんは笑顔で応えました、そうしてでした。
 先生達は田中さんとさらにお話しました、琵琶湖のことを。
 その後で自宅に帰ると皆に言われました。
「先生今日もよかったよ」
「水族館とか法律のお話がね」
「やっぱり先生はしっかりした考え持ってるね」
「尊敬出来る考えよ」
「うん、僕は自分が正しいならいいという考えはね」
 先生は今度は皆にお話しました。
「よくないと思っているからね、若しそこに悪意が加わったら」
「最悪よね」
「暴走してそこに悪意があったら」
「もう正しいって言っていてもね」
「とんでもないことになるよ」
「田中さんにも邪悪という言葉を出したけれど」 
 先生はさらに言いました。
「もうね」
「それで、だよね」
「最悪の事態になるよね」
「本当に」
「吐き気を催す邪悪って言葉があるけれど」 
 まさにという口調での言葉でした。
「自分が正しいから暴走していてもいいと考えていてね」
「そこに悪意が入ったら」
「もうだね」
「その時点で邪悪で」
「吐き気を催す位なんだ」
「そうなって碌でもない存在になるよ」
 先生は眉を曇らせてお話しました。 
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