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高コスト

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第七章

「けれど一隻しか造られない豪華客船は高い」
「そうなりますね」
「しかしその豪華客船も歯ブラシの様に造ることは無理でも」
 それでもというのだ。
「何隻か一緒に造るとその分安くなる」
「一度に大量生産すれば」
「そうなるね」
「では」
「そう、兵器もね」 
 自衛隊のそれもというのだ。
「今みたいに戦車を一年二十両とか」
「二十両ですか」
「たったのね」
 大泉はこの言葉も加えた。
「それだけしか造っていないんだよ」
「それはまた」
「六百両造る予定で」
「そこまで少ないと」
「やっぱりその分稀少になるね」
「そしてコストもかかりますね」
「そうなるよ、だからね」
 自衛隊の兵器の高コスト、この問題の解決案はというと。
「兵器を大量生産するんだ」
「一度に」
「流石に年六百両は無理でも」
 それだけの戦車を一気に建造することはというのだ。
「百両でも造るとだよ」
「その分予算が軽減出来る」
「その筈だよ、戦車以外にも」
「他の兵器もですね」
「陸自さんなら装甲車も対空自走砲も大砲も銃もだし」
 こうした兵器も出した。
「空自さんの戦闘機も海自さんの艦艇もね」
「一度にですね」
「造ればね」 
 それでというのだ。
「その分安くなるよ、まあ工場をそれだけの設備にしないといけないにしても」
「コストはですね」
「その工場を拡大する設備投資の分も入れてね」
「安くなりますか」
「そう思うから」
「国会で出されますか」
「もう少し勉強して」
 そしてというのだ。
「この話を詰めてね」
「そしてですか」
「国会に出そうか」
「そうされますか」
「細部をもっと検証して」
 大泉は考える顔のまま述べた。
「そうしていくよ」
「まだ先ですか」
「大まかな部分が出来ても」
 それでもとだ、大泉は松田に話した。
「隅まで調べないとね、それに」
「それに、とは」
「僕よりもっと詳しい専門家の人に見てもらって」
「その方からの検証もですか」
「受けて」
「それで、ではないですね」
 ここで松田は笑って大泉に述べた。
「左様ですね」
「党の上の人達にも見てもらって」
「議題にあげるべきかどうかをですね」
「見てもらって」
「それからもですね」
「内閣に出す場合もあるし」
「国会だけでなく」
 松田は笑ったまま話した。 
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